インポスター シンドローム(Impostor Syndrome)は、精神障害とまでは言わないものの、人生観や仕事などを通して、影響が不随意的に表れやすい傾向があります。
自分の能力、勤勉な働き、成功、良い評価に対して、そのまま受け入れられず、むしろ「自分は偽物だ」という意識を抱いてしまいます。
結果的に、がんばって努力していながらも、
「自分がうまくいったのは運のよさや偶発的なもの」
「周囲に対してうまく立ち振る舞ったに過ぎない」
などと解釈します。
自分は詐欺師のように周囲をうまく欺いているのではないか?と考える様子から、別称、ペテン師(詐欺師)症候群(fraud syndrome)とも呼ばれます。
日本人の文化や世俗的慣習とも親和性があり、勤勉さを表に出さず、成功や実績に対して自分の成果を過小評価する、といった傾向につながることもあるでしょう。
男女ともにインポスター シンドロームは起こり得ますが、特にキャリアを積んできた女性(仕事を持っている/自立している)に多いという研究もあります。

「自己評価が低い」という心理傾向と似ている、と感じるかもしれません。
しかし、シンドローム(症候群)といっても、決定的な診断や治療法があるものではありません。
過度にインポスターが働くと、うつ状態のようになったり、睡眠障害や燃え尽き症候群のようになると言われますが、線引きは曖昧です。
一方で、自己評価はそれほど低くなく、また他者(上司など)から「もっと評価されるべきだ」と、むしろ不満を持つほどの人のなかにも、別のタイプが見られます。
たとえば、スピリチュアル的な運や直感能力によって、成功や実績をうまく積んでいる、と認識するタイプです。
スピリチュアル系のインポスター シンドロームは、自分の他者からの評価、昇格(昇給)について、「自分自身の経験や仕事上の能力」よりも、スピリチュアル的なタイミングや運、よくわからないが信じることができる何かによって納得しようとすることに、エネルギーを注ぎがちです。
謙遜・謙虚さ、自己評価の課題とは、似て非なるニュアンスがあります。
たとえば、自分の能力や実績を思い返すことを誰かに促された場合、すぐに妥当な自己評価で自分を認めることができます。
自己の能力そのものに懐疑的であるかのように振る舞いながら、実際はそうでもないわけです。
また、自分の能力を認めるためには、相応の理由や見解が必要だと考える傾向もあります。
それは、他者の能力に対しても、裏付けを求める傾向へとつながっていきます。
心理的、精神的な傾向は、その方の環境や立場、さまざまな要因によって形づくられます。
ただ、ご自身にとって、常に誰かや何かから厳しく評価されている状況に長くいることで、インポスター シンドロームは強まる可能性が高いでしょう。
実際に評価が厳しいかどうかよりも、ご本人にとってストレスや緊張感を増すように感じることが、作用を強めます。
仕事に限らず、人生がうまくいっていると感じるときに、過度に「運の良さ」やスピリチュアル的な理由を根拠にしたがるときも、この傾向がみられるかもしれません。
Aさんは、「子供の頃、いつも母親が家のなかで機嫌がわるかったことを思い出します。機嫌がわるくないか、自分はいつも気にしていました。今になれば、母は自分のことで機嫌がわるかったのではないとわかっていますが、そのときは、すごく気にしていました」
きっかけとなるエピソードは、人それぞれです。
インポスター シンドロームの傾向(70%の人は人生のどこかで経験するそうです)があるかもしれないと感じたら、セルフヒプノで探ってみると、興味深い気づきがあがってくるでしょう。
そして、このようなエピソードは絶対的な因果ではありませんので、さっと手放しましょう。
周りに対してペテンを働いているように感じていても、実は「自分の核となる感覚からズレてしまい、自らを騙しているのではないか」という不安が、引き起こしている症候群であるとも言えるでしょう。
















