過日、コロナ禍のストレスケアに関するアンケート調査を試みました。
「この1年のコロナ禍で、どのようなストレスを感じているか」という問いをはじめ、具体的なストレス要因、対処法、個人的なストレスエピソードなど、5問の選択式回答と自由回答による集計です。
このアンケートにご協力をいただいたのは、2020年春からの1年間でオーディオセラピーなど瞑想やセラピー体験に参加されたのべ350人。
ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。次作「コロナ禍のストレスを癒す(仮)」の下地となっております。
一般の市場調査とは比較し、アンケート対象者の皆様は、日頃から内観、メンタル、精神面のケアをされている傾向が強いと思われます。アンケート結果にもその成果が伺えました。未曾有の経験に対して個人的な状況や感覚は異なりますから、ストレスへの認識や耐久力は人それぞれです。アンケートとご自身を少し見比べてみるのも面白いと思います。
Q1 コロナ禍でどのようにストレスを感じていますか?
「コロナ禍の影響をポジティブにとらえている」という声が半数近く45% マインドの適応が高いですね。
個別のコメントでは、健康、身体や物理的なストレスが多いです。
「マスクで呼吸が苦しく酸欠状態で顎にも変な力が入る。汗かきなので夏場はさらに不快度数が倍増。」
「骨が弱くなった、運動不足」
「携帯用の除菌グッズを一種類でも忘れるとストレスに感じることがあると思います。」
「友達と会ってご飯して元気になる、、が気軽にできにくい。躊躇。」
「在宅勤務で一人でいるので、だんだん感情が悪い意味でフラットになり、喜ぶことが少なくなる。」
「眠れないことはほとんどありませんが、朝起きるのが難しくなりました。」
「コロナ前から引きこもってる方が多いので、そこまでストレスがないのですが、母が精神的な病になってなかなか改善しないので、コロナ以上にそちらの方が実はストレスの要因になっています。」
ちなみに、精神世界系の方は、ステイホームにはむしろ適応能力が高いのは顕著です。ご自身のステイホームだけでなく、世の中の人々がステイホームのおかげでちょっとした外出や、世間の空気感がむしろ気楽、というお声はよく耳にしています。
また、災害時などと同様に、個人や家族に大きな問題があるときは、そちらのほうがよほど深刻。後々になっても、災害や社会事象はあまり印象に残っていない、というのも一般に多いです。
Q2 どんなことがストレス要因になっていますか?
ストレス要因として「行動の制限」「メディア報道」は「新型ウィルスそのもの」より高数値です。
日頃、一般的に「ストレスだ!」と言うのは、「ストレスに感じている!」の意味です。「ストレス」は自分の内側にある感じ方や反応です。感情だけでなく、身体反応や身体感覚もあります。
その「ストレス」のスイッチとして刺激になるものは「ストレッサー」と呼びます。一般的な会話などでは、ストレッサーのことを「ストレスだ」と言っています。
だから、「コロナウィルスがストレス」ではなく(感染すればダイレクトなストレッサーであり、たとえば肺や呼吸器官が特に重篤なストレス反応を起こす)コロナ禍によって発生する何かがストレッサーとなり、それに自分のストレスが反応します。
少しややこしい解説で、ストレスに感じないと良いのですが(笑)
あなたがストレスとストレッサーの違いを自覚しておくことで、かなりの外部のストレス要因を回避できます。
「あの人はストレス」「○○○はストレスになった」とうっかり無頓着に認識することが無くなります。すると、ストレス要因から心も状況も自由になります。
コロナ禍のアンケートでは、回答者の方々に、何がストレスか自己チェックいただくことで、ストレス要因と受け止め方の整理をしていただきたくことも目論んでおりました。
自由回答では、
「TVなどでコロナウイルスの大きな映像を偶然見てしまったときなど。」
「友人と美味しいお店での食事やお茶ができなくなったこと。」
「経済的な不安」
「ドライブや旅行、ジムやセミナーに行けなくなったこと」」
「コロナの話を毎日4時間以上ニュースで聴くのが1年続くと流石に観るのがしんどくなって、飛ばして観るようになりました。こうなってくると政府や自治体の手腕ということになってくると思うので、こういう状況下では危機意識の高い想像力が豊かな人が先頭に立たないとならないと思います。」
「コロナに対する自粛、自衛への同調圧力」
やはり行動に影響するストレス要因が多いようです。
Q3 コロナ禍以前のストレスはどう変化しましたか?
コロナ禍で・・・、というよりコロナ禍も含めてさまざまなことがシフトした時期です。ということは、かつてのストレス要因にもどんな差異が起こったのか、興味深いものです。
「以前のストレスを今も感じる(コロナ禍の影響を問わず)」は筆頭ですが、
「以前のストレスを感じない」しかも(コロナ禍の影響おおかげで)が2割近くいます。
このアンケートの設問では定義していませんが、「コロナ禍でストレスが増した」というのは、もともと潜在的にあるストレスが発火したきっかけがコロナ禍である、可能性は考えられます。
ほかの回答では、
「良くなった部分と悪くなった部分、両方あります。」
「コロナとは関係なく、会社員を辞めて伸び伸びバイト暮らしをしてるうちにコロナが始まって、職についても時短なので体も楽。だがコロナとは関係く人生への不安はある・・・」
「近所の人が嫌がらせとストーカー行為が止まらなくて、それに比べたらコロナのストレスは大したことないと思いました。」
「気乗りしない人との距離をコロナを口実にうまいこと置けるようになったことはよかった。アクリル板越しに会話をするのは意外と気が楽だった。電車の窓開けが普通になって風が心地よい。」
「今は人との関わり方が直接ではなくzoomやテキストが主になっています。以前ならその時の会話で気になる事があっても他の用事があれば自然にその事を考えずにいつの間にか忘れていたのですが、今は次の何かが無いので週が変わってもその時の会話を思い出してイライラしてしまう。でも、それは以前からその点は有ったのに…と冷静になって考えるとひとりで過ごす時間が多いので我が強くなってきたと思う。それが我儘なのか素直な自分と考える。自分と会話する時間が増えた。だから、このストレスが良いか悪いかの判断は出来ない。」
なかなかご自身と向き合ったご回答が多く感じました。
Q4 コロナ禍のストレスをどのようにケアしていますか?
視覚化しても見づらいと思いますが↓
物理的には「マスクや行動自粛などにより(安心するよう心がけている)」
メンタル・精神的には「瞑想・ヒーリング」が半数を越えています。
これもアンケートターゲットが「瞑想・ヒーリング」系の方々ですので抽出に偏りはあるでしょうが、ご自身の趣味や習慣となるものが内側も満たすものであれば同義と推測できるでしょう。
「運動・エクササイズ」も実践者が多いです。
内側を満たすといえば、「家族や自分自身とゆったり過ごす」「片付け・掃除・家事」も高めです。
最初のアンケート結果と同様に「状況に慣れる/適応するように」「あまり気にしすぎないように」している方々、多いですね。
個別回答として
「自宅でできることでケアしています」
「いつも冬季鬱っぽくなりますが、今年は荒れた手を妹が毎晩クリームでケアしてくれたのと、それを韓国ドラマ見ながらやったので、自分の不安ばかりを見るということがなく、手もキレイになって満たされる形で毎晩寝たのがよかったようです。」
「外出先で、除菌グッズを携帯したり、空間除菌剤を下げたり、帰ったら除菌スプレーを服に吹きかけたり、手作り料理して美味しく食べる工夫をしたり、毎日幸せになることを、習慣化して楽しみに焦点を当てて生きてます。」
と、インスパイヤされるケア方法、多々ございました。
Q5 コロナ禍のストレス対策やメンタルケアについて瞑想やセラピーにどんなことを期待しますか?
こちらはコンテンツ制作の参考に調査させていただきました。
比較的、予測範囲内の結果でした。
コロナ禍に直接関係なく、よりメンタル、意識、感覚の精度を高めるような、しいては生活や人生が豊かに向上するような資質を求めている、という印象です。
ご回答のなかには、スピリチュアルならではの
「気づきがあったり、これまで考えたことがないようなアイディアが湧いてきたり。」「祈っている時の自分がある意味で最高の自分であるという言葉が浮かんできて、納得しましたし、そんなことを気付かされて驚きました。」「宇宙的な大きな潮流を感じとる」など、スケール拡大な様相も!
ありがとうございます。
今回のアンケートは、冒頭に書いたとおり、次作「コロナ禍のストレスを癒す」の土台確認を兼ねておりました。コーチング瞑想×セルフヒーリングを組み込んでおり、この時代ならではのストレスケアになれば・・・と皆様にご協力いただきました。
ところで、良い応えを引き出すには、良い質問をすることが肝要です。
悩んでいるときは、愚問を自分に投げかけているか(苦笑)良い方向へ向かうための途上です。
自分自身にたいしても、また周りで悩んでいるような人にも、問いかけを変えてあげると、視野や発想が広がります。ヒントや閃きは、問いかけの支点(ポイント)やプロセスがちょっと変化したようなときに起こりますね。
ストレスに感じることから自由になるには、客観的な質問に応えてみるのもアリです。
悩むという頭の使い方は意識が狭くなり、体は身構えて力が入ります。頭がよく働くときの思考は、意識が広がり、体が広がり新しい行動などに変換します。