「スピグッズ」かなり軽い感じの言い方ですが、スピリチュアルな目的で所有する物のことです。
3月は新型コロナウィルスの影響から、気鋭のあった推進力は停滞しています。大きな流れの中での調整を測っているのかもしれませんが。人の動き、お金の動き、つまり気・エネルギーの流れを表す指標のひとつである株価も大きな落ち込みを見せました。このような時期は、人生で何かしら遅れを取ってきたと感じているテーマについて追いつく機会と捉えてもよいでしょう。
もともと、どちらかと言えば、先鋭的で活発なNさん。ところが、ここ数年どっぷりと停滞し、思うように動けずにご自身でももどかしい時期が続いていました。一昨年だったか、お知り合いのご紹介でセッションにいらした頃は、ずっしり大きな岩のような重さと、それを持ち耐えてきた堅さを感じるほどでした。歳月とともに徐々にほぐれていき、今年に入ると、今までの課題がいかに重たかったのかを実感するほど、エネルギーが軽やかなご様子。
Nさん「長年の課題を、このへんでスッキリしたいなと。特にこの世の中が停滞してしまっているうちに、過去のことから前進したいと思いまして」
ということで、早春デトックスセラピーで、何十年来かの家族関係の問題の根本を発掘し、まずは意識レベルから動きだされました。
後日のメールでは、不可思議な夢をみたり、ご家族に対する感情や捉え方が刷新したようです。
そう、この手のセラピーを体験すると、奇妙な内容や、普段そうは思っていなかったような感覚が夢に現れます。夢の中での体験、感覚、感情は、必ずしも普段起きているときの解釈と同じではありませんし、逆の現象として現れることもあります(夢の中では物寂しいが、顕在意識では爽やかである、など)。
さて、意識が変わると、これまで精神的な支えとなっていたスピリチュアルグッズに対して、感じ方も違っていきます。
スピリチュアルグッズは、昨今ではクリスタルや御守りに始まり、エネルギー(氣)やパワーを増幅する物が思い当たるでしょう。ひと昔前は高額な壺や印鑑商法など、かなり怪しいものも御利益を願う人の心に付け入って流行したものです。
意識がスッキリされたところで、身辺の片付けが進んでいる様子ですが
Nさん「スピグッズの断捨離でお伺いそびれたのですが、オラクルカードやパワーストーンのブレスレッド、小さな石などは、お塩と共に普通に処分して良いものか、やはりお焚き上げでしょうか。どのようなやり方がベターなものなのか・・・?」
とのご質問が届きました。
今はインターネットでGoogle先生に尋ねると、概ね妥当なやり方が紹介されていると思います。それぞれの方法は、昔ながらの良心的なやり方や、ハウツーだけでなく心持ちなども書かれている記事が見つかりそうです。一般的には、単純にそれらの方法から納得のゆくものを実践されて、気持ちが落ち着きスッキリするならOKです。
スピリチュアルグッズをたくさん集めて、ふっと手放したくなり、さて、その方法は?とお考えになるのは、Nさんに限らないかと思います。
「そうそう、そう言えばうちにも既にエネルギーを感じないパワーストーンがある」と、このコラムを読みながら思っているのはアナタかもしれません(笑)
同じご質問をお尋ねになっても、厳密には人それぞれです。Aさんの場合のこのグッズは・・・Nさんのこのタイミングでのパワーストーンは・・・とお別れ(処分)のエッセンスは異なるのかもしれません。
ここでは、概ね、こんな方法や心持ちでお片付けするポイントをお伝えしたいと思います。ポイントにしては、やや解説が長いです。
そのスピリチュアルグッズに尋ねてみる。予め、リラックスし落ち着ける場所で、ひとつひとつそのグッズに尋ねて、耳を傾けるか心で感じてみましょう。特にスピリチャルグッズと交流が長く、深い方は、きっと声が聞こえたり、エネルギーを感じることができるでしょう。
このプロセスの種明かし、と申しますか、“オチ”があります。
スピリチュアルグッズに限りませんが、特定の物を所有することで、私たちは自分の本心(本質・魂・心の声)と向き合うことから長らく逸れてきました。特定のグッズ、物があることで安心し、パワーを得ているのだと、物質世界の流儀に沿って所有してきたわけです。時期によって、違う物を選び直してきたことでしょう。所有して手放す時期がきた物と直接対話をすることは、物を乗り換えて、本質はあまり変わっていないのに変化したと錯覚する生き方から、卒業する方法です。
この方法がしっくりすぐできる人(時期)と、まだ今はできない人(時期)がいることでしょう。一旦、前者の域を経験すると、その後はあまりブレないと思います。後者の場合は、今は物質世界で引き続きの体験や学ぶことがあると思われます。
ちなみに、グッズと対話してその反応や声や感覚が「正しいのか?」「間違っていたら?」と心配になる方は、正誤性を重んじる物質世界の影響が強いようです。グッズに愛着、思い出、執着、勘違いなどがあるのかもしれません。グッズや物の処分や断捨離が大切なわけではなく、ご自分の思い、意志、ある程度クリアな意識が大切です。グッズや物それら自体に、愛や思い出があるわけではありません。
愛着、思い出、執着が強いゆえに手放せない物については、実はそれらの物ではないところに、拘り(こだわり)の源が隠れているはずです。しかも、愛着、思い出、執着、拘りなどは、歳月の経過とともに変質します。
拘りの源については、Nさんのように特定のグッズの片付け、処分・・・というケースより、どんな物も捨てられない、断捨離したり処分することに罪悪感やもったいない気持ちが強いケースのほうが、わかりやすいかもしれません。
これもケースバイケースの前提ですが、物が気軽に手放せない人、一時的にそうなってしまうときは、自分自身や自分の人生について納得していない物事(物に限らず経験など)が多いようです。納得していないのは、細かい不満の蓄積、十分に満たされていなかった、愛や愛情不足、存分に受け取ったり発するなどの勢い(パワー・生命力・体力etc)がなかった、などです。
たとえば、実際に物のなかった時代、物質に困った生活をしてきた方は、物に困った経験から溜め込むことが多いようです。
怠惰からゴミ屋敷級に物をため込んでしまう方たちは、怠惰にいたるプロセスの中で、本質的に求めても満たされなかったエピソードがあるようです。
過去に納得のいかない経験や思いを抱えたままでいると、過去の物を処分することに結構な葛藤が起こります。
今、納得のいかない状況を過ごしているなら、未来に対してもそのように感じてしまい、思うように片付けや断捨離が進まないようです。
結局、物に対する扱いや、物に対する思いは、自分自身に対するソレらを投影しています。
愛着があり、ある時期大切にしていたスピグッズのお片付けは、今の、ご自分の心持ちや重きを置くところで、納得のゆくやり方で宜しいと感じます。さまざまな断捨離の方法はそのサンプルです。納得ゆく方法であるなら、それは善い方法でしょう。よく紹介されている方法は、先代の方達が理由があって納得して行っていたことです。現代の私たちはその奥深いところまで伝承を受けておらず、とかく表面的になりますが、お塩をかけたり土に埋めるなどの行為が自然に還すプロセスであると合点がゆくなら、妥当なやり方ですね。
デトックスセラピーのあるワークの中で、
Nさん「(自分が)いるだけでエネルギーを発散している!歩くパワースポットみたいで、みなぎっています!」
と潜在意識で起こった体験・体感をおっしゃっていました。自分にパワー(元気)があると、グッズ・物に対して自由に接することができるもの。とかく物のパワーを寄りどころにしたくなるときは、今元気がないとき、調子が上がらないときです。でも、寄り掛かりは程々が宜しいようですよ。物に対して注ぐ思いが強すぎると、一番大事なエネルギーを消耗してしまいますから。
そうそう、“オチ”の件ですが。
スピグッズに尋ねる、聴くのは、自分に意識を向けてエネルギーを注いであげることに匹敵します。活きるために当然の意識やエネルギーが足りなくなってくると、自然に自分で感じわかることが、わからなくなります。外部の情報や方法に対して、何が正しいのか見極めが弱くなります。