日曜の朝という少し珍しい時間帯にもかかわらず、父親や父性について、ちょうどタイムリーに思いを抱かれていた方々が集まってくださいました。
先月の母の日とは趣向を変え、今回はヒーリングや癒しにとどまらず、「パターナリズムとその影響」を明らかにすることがテーマでした。
多くの方にとって、お父様との関係性には、父親自身が担ってきた役割=パターナリズムの影響が色濃く反映されています。
大人としての視点で父親や父性を見つめ直すことで、より深く内面から父親とのつながりを感じられるようになっていきます。
それは、親子間にありがちな思いやりと反発の葛藤を超えるきっかけとなり、パターナリズムの恩恵を知りながらも、自分の自由と自律を選んでいくことにつながります。
ワークショップでは、皆さまは段階的に4つのワークを体験され、各々が課題だと思ってきたことに執着せずに、すっと新しい冒険や挑戦に招かれる印象でした。
① 内なる「父性」へのヒーリング
まずは場の空気をあたためる意味でも、ペアになって「相手の父親」について質問を投げかけるセッションから始まりました。
自発的に話すよりも「聞かれることで話せる」と感じる人は多く、自分の親について気軽に語ることが難しいという風潮自体が、パターナリズムの影響とも言えるかもしれません。
その後は以下の3つのテーマで、自身の内にある父性をヒーリング。
⚪︎ 自分のなかにある父性
⚪︎ 父親から受け継いだと感じる父性
⚪︎ 母親に似ている・同調していると感じる部分(生活力・役割意識・経済観念など)
ヒーリングの中では気づきや発見が自然に起こっていきました。
② パターナリズムの集合意識を解放する
地球を俯瞰し、身体的・社会的な性別の枠組みから離れて意識を広げていくことで、集合意識の波長を感じ取りやすくなります。
その意識状態から、以下の4つの領域でご自身に影響しているパターナリズムを見つけ、調整を進めていきました。
⚪︎ 家族・親族・家庭的な関係性
⚪︎ 社会・働き方・世界情勢
⚪︎ 経済・お金・豊かさ
⚪︎ スピリチュアル・精神性
このワーク中、「成功者や著名な実業家にある面白いパターナリズムに気づいた」というフィードバックもあり、発見に富んだひとときでした。
③ 父の系譜をアドベンチャーする
父や祖父から受け継いできたもの——ユニークさ、生命力、愛のつながり——を、アンカーリングやポジションチェンジといった技法を使って体験していきました。
ワークの終盤では、潜在意識レベルで“父性”の恩恵や贈与を受け取りつつ、同時にその枠組みによる制限や思い込みからの解放を体験されました。
具体的なやりとりがあった方もいれば、象徴的なイメージやメッセージを受け取った方もおられ、それぞれに深いプロセスが進んでいたようです。
④ 父へのヒーリング——エネルギーの贈り物
最後は、意識のなかにヒーリングスペースを設けて、父親とご自身の双方に“ヒーリングのエネルギー”を贈るワークを行いました。
体験中、感情が湧きあがることもありますが、たとえすぐに変化を実感できなくても、これまで感じていた重さや難しさが少しずつ和らいでいくはずです。
「ヒーリング中に眠くなるどころか、逆に頭が冴えた感覚があった」という印象的な声もありました。ヒーリングの作用は実に多様で興味深いものですね。
また、父性にまつわる集合意識——父性を象徴する階級制度、家系がここで止まる、誰もが自分より優れている、男性や女性に対する怒りや憎しみ——などは、このワークの中でディアクティベートしていきました。
終了後は恒例のミニ・セッションタイム。いり江さんのあんみつをいただきながら、ほっとひと息つくひとときもありました。
「家にある“パターナリズムを象徴するモノ”をどう扱うか」といった、まさに今回のテーマに直結するご相談もあり、タイミングの妙を感じましたね。
人間につくりだすスピリチュアルな営みには、無意識のうちにパターナリズム的な構造が生じやすいものです。
だからこそ、父性に焦点を当てたセラピーやスピリチュアルなワークは稀有なものの、貴重で意義ある体験になるでしょう。
父性に光をあてることで、過度にスピリチュアルに依存しない自立した在り方が育まれるのではないでしょうか。
というわけで、
雨空の日曜の朝にもかかわらず、父の日のテーマに集ってくださった皆さま、本当にありがとうございました。