June 2024
こんにちは。志麻の 今月のメッセージ です。
メッセージは、文字と音声でお届けしています。音声でお聞きくださるときは、音声バーの再生ボタンをクリックなさってください。
※ [6:38 頃 ] 〈「ノーマル & ナチュラル」〉誘導ワーク♪
今月のメッセージは、死生学に関連した視点からお届けします。
とはいえ、堅苦しい話ではなく、日常で当たり前になりがちな価値基準を見直すような内容です。
死生学は幅広いテーマを扱いますが、たとえば医療やケアなどは一般の方にもイメージしやすい分野です。
私が指導を受けているS教授のご専門が、医療史(メディカル・ヒストリー)ということもあり、最近聴いた講義をもとに、少しお話しをしてから、後半に関連するワークも行います。
さて、あなたが風邪や病気になったとしましょう。
治療や休息を経て、徐々に回復する過程を想像してください。
その風邪や病気から回復したとき、あなたは何を基準に健康になったと判断しますか?
自身ではなく、身近な家族やお子さんがいる場合、どのように健康回復を判断しますか?
医師の診断や医療的な数値、体の感覚や食欲など、いろいろな基準が考えられるでしょう。
ネットやSNSの情報で手軽に判断するでしょうか?
もちろん、病気の種類によって異なるかもしれません。
私たちが今日当たり前と感じることは、実は近代に入ってから大きく価値観や様相が変わったものが多いのです。西洋医療や関連する治療、セラピーもその一例です。
歴史を振り返ると、1820年から1885年にかけて、特にアメリカの西洋医療の変革により、医療やケアは病気や症状を対象とするようになりました。
それまでは、目に見える症状の変化と個々の患者さんに基づいた治療が主でした。
普遍的な診断や治療が強調されるようになったのは、ご存じのとおり、現在の医療の基本となる概念です。
この19世紀半ばに、健康回復の概念が「自然な」状態から、「正常な」状態を達成することへ変わったと言われています。
「自然」は〈ナチュラル〉、「正常」は〈ノーマル〉です。
個別化された自然な健康回復から、標準化された正常な健康維持への移行が起こったと、当時の研究に記録されています。
現在はどうでしょうか?
身近なところでは、熱があるとき、健康診断を受けるとき…どう判断されて、いらっしゃいますか?
私たちは特定の症状や治療法を正当化して、重視しがちかと思います。
もちろん、近代以前の状況からの正常化が、合理的で安全な構造を築いたことは多々あり、恩恵を受けています。
しかし、私たちの日常や人生観の中で、改めてナチュラルとノーマルの違いを意識してみることで、ある状態について、多様なアプローチが可能になります。
日本では、戦後から現代にかけて、文化的、あるいは社会特有の正常さを優先するマインドセット、集合意識や信念体系の影響を受けているようにも感じます。
健康や諸症状についての話をさせていただきましたが、この視点は、特定の能力、教育、経済力、暮らしにも応用できるかもしれません。
人間関係や、創作活動、精神や心の状態、ときには魂の領域においても、ノーマルの基準に過度に当てはめたり、ナチュラルである難しさを経験することがあるかもしれません。
時折、ふっとしたときに、ノーマルやナチュラルを観察することで、それぞれの特性を活かせるように思います。
ノーマルの基準では苦しいことがナチュラルによって解放されたり、ナチュラルでは不調和なものがノーマルによって整うかもしれません。
さて、このような問いかけの後、ご自身の身近なところや人生観において、ノーマルとナチュラルを見つけてみましょう。それらは言動や思想、心の状態、情報、コミュニケーション、風習や習慣などに表れているかもしれません。
ノーマルとナチュラルを比較して優劣をつけるのではなく、それぞれの認識が異なる、ということを心得ておくと良さそうです。
今月の自己探究として、気軽に試してみてください。
ご準備はよろしいでしょうか。
それでは、瞑想やヒーリングワーク、軽いヒプノセラピーの体験に入っていきましょう。
[6:38 頃]
目を閉じて、ゆったりと深呼吸をしましょう。
吸う息とともに新鮮な空気が体に入ります。吐く息とともに緊張が溶けていくのを感じます。
全身の力を抜いて、リラックスしていきましょう。
これからの短い体験が、あなたにとって自己調整の助けになるかもしれません。
もし自然に体を動かせるなら、両手で頭を優しく包んでみてください。
手を動かせない場合は、意識だけを頭のほうに向けます。
「ノーマル」と聞いて、どんな色が思い浮かびますか?
その色のエネルギーで全身が包まれているのを想像してみましょう。
どのような感覚が広がりますか?
次に、その色のエネルギーが、日常であなたが「ノーマル」な価値観や意識、存在として過ごしている場面に変わっていくのを感じてみましょう。
思い浮かぶイメージを受け入れていきましょう。
ノーマルな状態でのあなたの態度や言葉、活動、人との関わりなどかもしれません。
どのようなところが、ノーマルなのか、観察してみましょう。
心当たりのあるものでしょうか。
今度は、両手を胸のあたりに優しく置きます。手を置けない場合は、意識だけをハートのあたりに向けます。
「ナチュラル」と聞いて、どんな色が思い浮かびますか?複数の色が浮かんだら、その中から直感的に色を選んでください。
その色のエネルギーで全身が包まれているのを想像してみましょう。
どのような感じが広がりますか?
次に、その色のエネルギーが、日常であなたが「ナチュラル」な価値観や意識、存在として過ごしている場面に変わっていくのを感じてみましょう。
ナチュラルな状態でのあなたの態度や言葉、活動、人との関わりかもしれません。
どのようなところが、ナチュラルなのか、観察してみましょう。
思いあたるところがありますか?
手を胸のあたりに置いていたら、楽なところに戻します。
最後に、今現在のあなたにとってのノーマルとナチュラルを統合します。
「ノーマル」の色と「ナチュラル」の色を、パレットの絵の具を混ぜるようにブレンドしてみてください。
色のイメージが難しければ、色を混ぜて統合する、と意図しましょう。
新しく混ざり合った色のエネルギーで、全身が包まれているのを感じます。
そして、ノーマルとナチュラルを統合されたときの、あなたの近い未来の態度、状態、他者との関わりなどを体験してみましょう。フューチャーペーシングです。
具体的な出来事や状態を目撃するかもしれないし、体の感覚や反応で体験することもあります。
あなたにとって心地よく、望ましいものでしょうか?
それでは、そろそろ体験から戻ってきましょう。
深呼吸をして、今ココにいることを思い出していきます。
状態が落ち着いたところで、スッキリ気持ちよく目をあけてください。
体験はいかがでしたか?
この内観のセラピーを通じて、これまでと少し違ったナチュラルやノーマルを意識することがあるかもしれません。あるいは、周りの人の態度や状況にも、ナチュラルやノーマルに関連する変化を発見できるかもしれません。
さて、今月から、恒例の下半期リーディングのセッションが始まります。
今年のテーマは、DNA・遺伝子です。DNAレベルのアクティベーションを取り上げ、リーディングで変容を促しながら進めていきたいと思います。
特に、ご自身の下半期に注目をしている方や、エネルギーワークやリーディングと波長のあう方は、ぜひ下半期リーディングのメニューをチェックしてみてください。
参考:The Therapeutic Perspective (John Harley Warner, 1997)