2月末のコラムでご紹介したConscious Life Expo(以下、CLE)について、今回はもう少し踏み込んで書いてみたいと思います。
前回は、このイベントがアメリカでどのような位置付けにあるのか、その背景や全体像をご紹介しました。今回はそこからもう一歩進めて、実際に会場でどのようなテーマやモダリティ(手法)が注目されていたのか、日本の“スピ系”と近いところや異なるところも含めて、私自身の体験を交えながらお伝えしたいと思います。関心のある方にとって、何かしら参考になれば幸いです。(長めです)
場の熱量と、人との距離感
まず全体的な印象として感じたのは、来場者とスピーカー、ティーチャーとの距離の近さです。日本の癒し系フェアや展示イベントに比べても、ぐっと距離が近い。以前から本を読んでいたり、オンラインで見聞きしていたり、どこかでつながりがあったりして、すでに何らかの接点を持っている方も多いのかもしれません。年々の常連参加者が多いことにも納得がいきます。
ただ、熱心に話を聞き、積極的に質問している方に「何度か来たことがあるのですか」と尋ねると、「まったく今回が初めて」という返答が返ってくることもありました。アメリカでは、発言したり質問したりすることへの心理的なハードルが、日本より低いのかもしれません。もちろん、シャイな方もいらっしゃいますが、全体としては「場に参加する」ことに慣れている人の比率が高いように感じました。
また、主催者や運営に関わる方々が、このエキスポに長年携わっていることも印象的でした。各ワークショップやイベントの紹介もとても上手で、小さなエピソードを織り交ぜながら、来場者が「それは聞いてみたい」と思うようなフレンドリーな切り口で場を温めていきます。こうした積み重ねが、20年以上続いてきたCLEの空気を作っているのでしょう。
プログラムを見ると、有料・無料のワークショップに加え、誰でも自由に出入りできる無料レクチャーも多数あります。ワークショップは90分が基本で、講義中心のものもあれば、実際に参加者が一緒に体験する形式のものもあります。有料ワークショップは、事前申込で55〜75ドル、直前申込だと65〜90ドルほど。これに加えて、Expo3日間の通しパス125ドルが必要です。Expo終了後の週明けに開催されるカンファレンスは、1コマ2時間半で95〜100ドルほどでした。円安の影響もあり、以前に比べると全体にかなり高く感じられます。
しかも、同時刻に開催されているものは当然ながら同時には受けられません。1日80以上のプログラムが走っていても、自分が実際に体験できるのはごく一部です。それでも、その限られた時間の中に、今のCLEらしさが濃く表れていたように思います。
体験したワークショップあれこれ
今回、私が体験したものの中で、まず印象に残ったのが、Rizwan Virk, Ph.D. のレクチャーです。『The Simulation Hypothesis(シミュレーション仮説)』の著者で、MITのコンピュータ科学のバックグラウンドを持つ方です。AI、量子物理学、東洋の神秘主義などを横断しながら、「なぜ私たちはビデオゲームの中にいるような現実を生きていると考えうるのか」という、まさに「マトリックス」的な内容でした。
難解になるのかと思いきや、語り口は驚くほどわかりやすく、まるで質のよいYouTube解説動画をライブで聴いているような感覚でした。霊的な高揚感というよりも、「頭の良い人の整理された話を聞いてスッキリする」という、知的な爽快感がありました。
一方、Maureen St. Germain の Solar Fire Activation は、文字どおり「太陽の火」のような熱を腹部、特に太陽神経叢のあたりに実感するワークでした。お腹の内側にカイロを貼ったような熱が広がり、その熱が骨盤や仙骨のあたりをやわらげていく。私は普段、ハムストリングが硬くなりがちなのですが、この誘導体験の最後には、太腿の付け根がぐんぐん伸びて、坐骨がしっかり立つ感覚がありました。私はもともと、こうしたアクティベーションや鍼灸などにも身体が反応しやすいタイプなので、そのぶん体感が強かったのかもしれません。
逆に、内容や知識としてはきちんとしていて、アセンションやガーディアン(守護)についてもよく整っているのに、なぜか何も感じないという不思議なワークショップもありました。日本語でいうなら「セミナー」的な要素が強く、知識として持ち帰る場だったのかもしれません。
Sir Robert Edward Grant も何度か登壇していました。How Consciousness Creates the Simulation We Call Reality というテーマは、いまこの領域に関心がある方なら耳にしたことがあるような内容です。彼の話を聞きに来ている聴衆の熱量は高く、「この人の話を直接聞きたい」という集中が会場に満ちていました。数学、幾何学、意識の交差点を探求するような語り口で、科学と精神性を橋渡ししようとする人なのだと感じました。
サウンド系では、Adrienne Bawa の Sound Bathが非常に心地よく爽やかなものでした。クリスタルボウルだけでなく、チームメンバーがいくつもの自然由来の楽器を奏で、それがまるでジャズのセッションのように、自由に、しかし調和しながら広がっていきました。楽器の名前まではわからないのですが、波の音と貝殻のぶつかるような音が一体になったものや、目を閉じていると遠近感がわからなくなるような響きを持つものなど、さまざまな音が空間に溶けていきます。チームメンバーそれぞれの個性はかなり異なるのに、その違いがむしろ理想的な家族のような安心感を生み、音の場全体が「癒しの共同体」になっていました。50分近い体験の後、足裏がぽかぽかして、“幸せな温度”という言葉が自然に浮かびました。
Masati のセッションも独特でした。3度の臨死体験を経て、生き延びただけでなく、人生の波動を読み解くようになったという方です。話の中には、知識として学んだことではなく、何か別のところから拾って伝えているような感覚がありました。後半になると、来場者の中から「自分のエネルギーや状況を読んでほしい」という人が手を挙げ、選ばれた人に対して公開リーディングのようなことが始まります。肉親の霊的サポートがある場合には、それも伝えられていました。ただ、来場者の個人的な話が長くなると、どうしても会場の空気は少し重くなります。終わるやいなや、私は人混みをかき分けて扉の外へ這い出すように出てきたのですが、それを会場外から見ていた女性に「あなた、まるでポータルから抜け出してきたみたいよ〜」と笑われました。ある意味、言い得て妙です。
JJ Brighton の The Crystalline Children のワークショップも印象に残っています。ご本人も8人のお子さんの母親とのことで、その母なる力強さが、広い会場いっぱいに広がっていくようでした。見た目は楚々として明るい方なのですが、エネルギーとしては、神々しいというより「肝っ玉母さん」。クリスタルチルドレンというテーマは、1995年以降に多く生まれたとされる、高い感受性や愛情深さ、癒しの性質を持った子どもたちというスピリチュアルな概念に関わるものです。
今ではその世代もすでに大人ですが、当時「ちょっと異質な子ども」と見られていた人たちには、深く響いているようでした。話そのものは多かったのですが、あとから振り返ると内容をうまく言語化できません。体験の最中に、突然、自分の母親について「ああ、あれは愛情だったのだな」と思わされる瞬間があった気がするのですが、それも言葉にしようとすると霧のようにほどけてしまう。記憶の層とは別のところに届くワークだったのかもしれません。
現地入り2日目終了。
ここまでのところ、日本との17時間の時差があるにもかかわらず、体調や時差の違和感をかなり吹き飛ばしてもらっていました。もちろん身体としてはそれなりに時差ボケもあったのですが、それ以上に場のエネルギーや体験の密度が上回っていたのだと思います。

Deborah Stuart の Sacred Geometry & HighChi は、神聖幾何学に惹かれて参加しました。実際には、シンボル的なアイテムや儀式的な方法を用いるワークでした。参加者全員で、それぞれ願望を書いたポストイットを集めていくような場面もあり、何がどう作用しているのか理論的ははよくわからないのですが、和気あいあいとした空気の中で、こうしたことを一緒に行うだけでもヒトはゆるむのだな、と感じました。古代文明にまでさかのぼれば、神聖な模様や数の体系に由来する祭りや儀式は各地にあります。現代人はつい頭で理解しようとしますが、こういう場ではむしろ理屈を脇に置いて感覚に任せたほうが作用しやすいのかもしれません。
今回あらためて面白かったのは、Bashar(Darryl Anka)以外にも、チャネリング状態でワークショップを行うティーチャーが多くいたことです。そして実際に体験してみて、「チャネリング先にも個性がある」という、ごく当たり前なのに興味深いことを感じました。最初は登壇者本人が話していて、途中からつながる存在が前面に出てくる。ご本人は半覚醒のような状態なのか、終わったあとも内容は覚えているようでした。
なかでも、Pleiadian Wisdom(プレアデスの智慧)に接続するという方のワークでは、「いよいよ宇宙的な智慧が語られるのか!」と思っていたところ、“So…”というつなぎが何度も何度も入り、なかなか本題に入らず、結果的に“宇宙人のおしゃべり”のようになっていくという、少しおかしな展開がありました。この“つなぎ”の時間が、なぜか麻酔をかけられたように異様に眠く、会場からもため息が漏れていました。けれど、それも含めて「いろいろな宇宙があるのだな」と思うと面白く、私は途中で静かに会場をエスケープしました。
インディゴチルドレン、クリスタルチルドレンと並び、スターシードというテーマもまた、この領域では長く人気があります。スターシードとは、シリウス、アルクトゥルス、プレアデスなど高次元の宇宙から、地球の波動を高めたり進化を助けたりするために生まれてきた魂だとされます。そのため、地球上での生きづらさや孤独を感じやすく、直感力が高い、といった特徴が語られます。Enhancing Starseed Relationships というワークショップでは、そんなスターシードが地球上で人間関係をどう育むか、というテーマが扱われていました。志麻ヒプノのクライアントさんにもスターシード的な感覚を持つ方は多いですし、私自身も興味深く参加したのですが、特徴や体験談の紹介は多くても、「では実際に現実の人間関係でどうしていくのか」という具体論までは踏み込まれませんでした。そこがまた、いかにもスターシード的と言えばそうなのかもしれません。
サウンド系では、Ana Netanel の Love Activation Sound Bath も忘れがたい体験でした。90分、ライブのように、全身でサウンドヒーリングに浸る時間です。現地ではよく知られている方なのか、常連のファンらしき参加者が多く、部屋に入った瞬間からすでに独特の親密さがありました。私はもちろん初参加でしたが、その空間では「ここに来た人はみんな愛で迎える」という勢いがあり、スタッフだけでなく参加者同士も、まるで旧友に再会したかのように笑顔を交わし、最後には近くにいた人と自然にハグをして終わる。中にいると不思議なくらい自然ですが、外から見たらかなり独特の光景だったと思います。この時間は、東京から引き連れてきた疲労やストレスが、ずいぶん抜けていきました。
Expo終了後、現地時間の月曜日には複数のカンファレンスもありました。その中には、以前コラムにも書いた、Basharにチャネリングしていない“素の”Darryl Anka の150分レクチャーもありました。私がセラピーの仕事を始める前後に、本を読んだり動画を見たりしていた方と、こうして一方的に再会できるのは感慨深いものがあります。内容としては、この数十年のスピリチュアルな考え方や働きかけも、現実世界の変化、身体を伴う暮らしの進歩に合わせて変化していく必要がある、ということが語られていました。
Ross Coulthart の話は、また別の意味で印象深いものでした。イギリス出身で現在はオーストラリアを拠点とする国際調査ジャーナリスト・作家で、報道やジャーナリズムの立場から、思想やスピリチュアル、UFOのテーマに発言している方です。CIAは、超能力の可能性を調査していたスターゲイト・プログラムを1995年に終了したと公式にはしていますが、実際には米国によるサイキック能力研究が水面下で続いており、特殊能力を持つ子どもたちに深刻な訓練がなされていた、という体験談が紹介されました。内容はかなり生々しく、私には別の意味で眠気が強く出ました。無意識の遮断だったのかもしれません。さらに、会場からの質問もまた容赦がなく、傷口に塩を塗るような鋭さを感じる場面が多々ありました。
カンファレンスの最後に参加したのは、Blake Bauer の Powerful Self-Healing Methods です。自分自身も最後に整えて帰りたいと思い、このワークを選びました。彼は気功の修行と経験を持つ方で、実際に身体を動かし、やや強めの呼吸法を行い、イメージワークと瞑想を組み合わせる、かなり実践的な内容でした。日本でも近年、「まず自分自身を大切に」とよく言われますが、彼は、精神的にも身体的にも自分をきちんと整えることが、無条件の愛、自分にも他者にも向けられる本質的な愛につながるのだ、と強調していました。
すべてが終わったのは夜11時。4日間、面白く、豊かな体験ばかりでした。会場のヒルトンホテル周辺は、車通りの多い明るい道で、近隣にもホテルが並ぶエリアですが、さすがにココはU.S.・・・隣の宿泊ホテルまで駆け足で帰りました。
ExpoとしてのCLEの面白さ
CLEの魅力は、ワークショップや講演だけではありません。別枠で、イベント、音楽ステージ、劇のようなものもあります。種類は実に豊富で、「アストロロジー・シンポジウム」や「プラント・メディスン・シンポジウム」では、スピリチュアルだけでなく、科学、民俗学、医療、宇宙論、歴史、ビジネスなど、複数の観点から専門家が意見を交わしていました。肯定的な立場もあれば否定的な立場もあり、ときにはかなり極端な説も同居している。その混在ぶりこそがCLEらしさなのだと思います。
会場がホテルであることも、このイベントの面白さを増しています。宴会場や客室フロアの一角を上手に使って、あちこちに異空間が現れます。複数の Hall of Healing(癒しのホール)では、時間ごとに自由に出入りできる体感型プログラムが用意されていました。たとえば、「グランドキャニオンのバイオフォトニック赤色光療法と5D量子音体験」「アセンションの波動体験」「Vibra-Acoustic Soundというマットを使ったヒーリング」「クリスタル・コンシャス・ラウンジ」「アルミニウムと重金属のデトックス」「共鳴瞑想」「メディシン・マッシュルーム」など。全部を回ることはできませんでしたが、霊性というより、むしろ好奇心をくすぐられるものが多かったです。(「 」内は我流の訳です)
Judgement Day(審判の日)という、3部構成のメタフィジカルな劇もありました。私たちの集団の未来を決める裁判を見守るため、観客が“宇宙法廷ドラマ”の目撃者になる、という趣向です。こうした遊び心や演出も、CLEが単なる講演会ではなくEXPO:博覧会であることを物語っています。
土日の朝9時からは、ピラティスの会場も用意されていました。こういう場所では、自分の身体に意識を留めておくことがとても大事だと、あらためて感じます。私は参加しませんでしたが、代わりに一番軽いアディゼロ(adidasのシューズ)で朝ジョグをしながら周囲のスーパーなどを確認していました。

※ レジデンスタイプでキッチンのあるホテルに宿泊。¥<$でもスーパーは味方です。歩道にはたまにオームレスの方がいらっしゃるものの、Run女子を発見。私も走れました。ただ、右側車線から右折してくる車はとても近く感じます。
会場で感じたこと―エネルギー、コミュニケーション、科学信仰
ちなみに展示会場で撮影したオーラ写真では、「冒険心」「分析」「科学的」といった診断が出ました。CLE全体は神秘的なテーマが多いのですが、それを裏打ちする根拠や理論、あるいはエビデンスらしきものを求めるコミュニケーションもかなり強い印象でした。科学的な裏づけ、陰謀論の検証、ファクトチェックのような話題も含め、「説明すること」「言語化すること」への圧が強い。これは日本の文化的な伝達の仕方との違いでもあるのかもしれません。
自分がスピーカーや出展者ではなく、体験者として参加する場合、どうしてもエネルギー的には受け身になります。そのため、いわゆる“エネルギー酔い”のような反応、頭痛、ふわふわ感などを訴える方は少なくありません。人の多さもありますが、コンサートやスポーツ観戦と違って、「さまざまなエネルギーが飛び交っている」という言い方がぴったりくるような場です。丹田やグラウンディングが定まりにくくなり、異様に眠くなる、急に甘いものばかり食べたくなる、といった現象を体験する人も多いようです。
私自身は、今回は普段よりかなりよく喋っていたので、展示会場や会期中の平場での違和感はほとんどありませんでした。言葉の波動というのは、感覚や察し合いよりもある意味で安定していて、自分の輪郭を保つ助けになるのかもしれません。
また、あくまで私見ですが、U.S. 西海岸の方たちは、見知らぬ相手でもフィーリングが合えばすぐに会話が弾みやすいように感じます。同じような関心や目的があれば、少し質問したり、意見を言ったり、待ち時間の長さに軽く愚痴をこぼしたりしても、相手は小気味よく返してくれます。もちろん、それで親しいというわけでも、相槌を打ったからといって同意しているとも限らないのですが、一期一会の場を楽しむという感覚は強いのだろうと思います。交流することで安全な相手かどうか確認もできるでしょう。
その一方で、展示会場での売り込みはなかなか勢いがあり、年末のアメ横を思い出すような場面もありました。ブースを眺めていたり、目線が向いたりすると、ほかにお客さんがいなければすぐに声をかけられます。少し圧はありますが、何をやっているのかがわかるので、それはそれで勉強になります。
そして昨今、日本の展示会でもよく耳にするようになった「科学的に証明されている」「論文に書かれている」という言葉も、こちらでは頻繁に使われていました。本当にそうなのでしょうし、一定の根拠もあるのでしょう。ただ、実際には例外や条件つきの結果もあるでしょうし、その科学的根拠が、個々人のコンディションにどれほど整合するのかはまた別の話です。一般の人だけでなく、意識や霊性に関心がある人たちも、案外、科学に対する信仰は強いのかもしれない。そんなことも考えさせられました。

※ 久しぶりのオーラ写真撮影。昔より画質は良くなりました。色の解釈は広義です。
今回あらためて受け取ったこと
CLEは、学びと情報収集の場であると同時に、自分自身の調整やヒーリングにもなる、かなり濃密な体験でした。回想記のように長く綴ってしまいましたが、全体としていまもなお活況であり、この分野が一時的な流行で終わっていないことは確かだと感じます。かつてはニッチだった領域が、時代に合わせて補正され、拡張され、世の中の変化とうまくブレンドされながら生き残っている。その様子を、今回は肌で感じることができました。
なお、滞在中は新しく完成したメトロのLAX/Metro Transit Center駅を見に行ったり、Expo後には、だいぶ清潔で安全性の演出も強まった交通網を利用して、市内やカタリナ島を弾丸で巡ったりもしました。もしかすると、こうした移動や街の体感のほうが、Expo以上に人生味が濃かったかもしれません(笑)。そのあたりは、また別のコラムでシェアできればと思います。
Conscious Life Expo @LA(現地レポ)
補足イメージはインスタをご覧ください



















