天空の事情と呼ぶか、時代の節目と呼ぶかは自由ですが、転機を意識している方にとっては、明らかに何か旧いものと新しいものが入れ替わるような感覚かと思います。今までなら一部の人々が感じる内観意識が、昨今は大きく広がっているのが特徴でしょうか。
このことを明るい兆しに受け止めている方が多いことを願います(時の変遷を悲観的に受け取る方もいらっしゃいますが、それも自然な反応のひとつです)。
さて、宇宙的情報があちらこちらに流れているせいか、意識的に片付けや整理を始めたり、すでにシステムや既存の方法を改善、アップデートしている様が増えてきました。
個人セッションや(目下Zoom、Skypeのおかげで)リモートセッションでは、意識的に生活の断捨離や生き方の浄化を実践中の方からのご相談が多いように感じます。
なかには、実際にダイエットがうまくゆき体重を落としてスッキリされたり、仕事の質や働き方を見直して負荷が変わった方などもいらっしゃいます。
ですから、冒頭のセッションは、良い感じのご報告や経緯を伺うのですが・・・
「今日のご相談は?」と切り出しますと、実際が伴っていないご様子。
むしろ、せっかく浄化や断捨離を愉しく(なにげにるんるん楽しく、大変ながらも実践しているようです)捗っているにもかかわらず、「これって、どうなの?!」という問題・現象が勃発しているようなのです。
なぜそうなったのか、どう捉えたらいいのか?
ここでは、次のような3つの理由を挙げておきます。
① 好転反応
セラピーや心理療法でよくあり得ることですが、比較的、感情やメンタルの重たい比重のテーマでセラピーを経たときに起こる反応です。望ましくなる前に、むしろ戻るような現象が起こります。
一気に早く良くなってしまうと、他の物事とバランスがとれなくなるため、適度に調整を計っているともいえます。
これは体のケア、病気や症状でも似た現象があります。特に入院や手術といった大病を得たあとは、順調に良くなる方向に向いながらも、少し体調がよくない部分や日もあります。一気によくなると、うっかり無理をしすぎてしまうからです。これは自然界の生き物の生態の特徴で、諸々とバランスをとっています。
たとえば、心も気持ちも身辺もスッキリし、表面上はうまくいっていますが、これまで長きにわたり散らかったり、鈍かったり、重たかったところで関わってきたものと急に決別することになります。すると、それはそれで塩梅がわるくなる可能性もあります。
たとえば、ごちゃごちゃしていた頃は、うっとうしいと思っていた人や物ごとの繋がりのなかで、実は気づかずに役に立っていて調和をとっていたことがあり、それらも一気に消滅してしまうようなときです。
焦らず、・・・3歩進んで1歩〜1.5歩くらい戻っても大丈夫です。まさに散歩(三歩)のつもりで。
② 肝心な本質に気づいていないとき
浄化や断捨離しても、定期的・または周期的に戻る場合。
ダイエットのリバウンド習慣がある状況に似ています。それでも試みたことは素晴らしいと思います。リバウンドは3回も続くと、リバウンドのダメージもありそうです。
表面的にはスッキリする、という方法やメソッドの部分は実行できているようです。この行動力はマルです。しかし、それだけの実践、行動力があるのに、本質や肝心なところを抑えていないのが残念です。
浄化や断捨離すべき本質や肝心なところが腑に落ちたときは、リバウンドは起こりません。
このタイプに当てはまる方は、努力家やちゃんと頑張るところがあります。ものごとをやり遂げることに自信をもち、むしろうまくゆかないときは「何か肝心なところに気づいていないのかも」と、観点を意識的に切り替えてみましょう。
意識を向けたところにエネルギーが流れますから、きっと必要としている本質を見つけるきっかけがあるでしょう。
③ 急に元の生活・生き方に戻らないこと
実は、3つの中で一番お伝えしたいポイントです。
浄化や断捨離は、内観・精神的な営みです。もともと物理的なお片付けや整理整頓を断捨離と呼ぶ時点で、精神的、心理的な意味をもちます。
たとえば、週末に断捨離で家中を片付けたり、長期連休を使ってファスティング(断食)を試みます。そして、またふだんの生活サイクルや職場環境に戻れば、効率よくいきそうですね。
ところが、意外にも精神的な部分(気質やエネルギー)はとても繊細です。
想像していただくと、数日、固形の食べ物を食べず、食事の間隔のあいた状態にあり、内臓がスッキリ、体が軽やかになったところで、急にふだんの食べ物を食べだすようなことです。たった、1日2日でも、食事のパターンを変えると、ふだん食べ物の味わいが変わるだけでなく、内臓のコンディションも違います。
これを、精神的なレベルでやるようなもので、まともな方ほど、他者の反応、仕事などの運びがキツく感じられるものです。そう、刺激に弱いです。今まではふつうになんとも感じていなかったことが、とても気に障ります。そして、人間は状況がキツく感じられるとプロテクション(保護・守り)のために、周囲の状況や特定の相手を責めたり、過去や周囲の人と比較して嘆いたり、悲しさや怒りがわいてくることもあるでしょう。
その感覚や感情は、浄化や断捨離をする前にも経験したこととよく似ているかもしれません。しかし、もしかすると、急に急いでシャバに戻りすぎたのかも?(シャバ:出獄のイメージがありますが、元来の意味は仏教用語で、この世のこと。)
コロナ禍中にリモートワークや出社不要が増え、ファスティングをしてすっきりホッソリされたSさん。秋になり仕事がだいぶ本調子になった頃、自分には身の覚えのない反応を上司や職場の同僚から受けていると感じ、
Sさん「これって、何なんでしょう!考え方を帰れば、仕事から外れることになって余裕が生まれました。断捨離して思ったとおりになったのかもしれないんですが・・・なんで私が周りからこういう扱いを受けるのかわからないです!」
私生活も仕事もきちんとこなすところから、Sさんはファスティングと会社を両立しているように見えますが、精神的な部分では無理をしないように(できないように)仕事から外れるような流れになったのかもしれません。
また、周りの反応が厳しいものに感じられたのは、内観に敏感な人の特徴です。それを跳ね返したり、気にしないレベルにもっていくには、浄化や断捨離のあとに、明るさや鍛錬が必要かもしれません。
長期勤務していた職場から、新しく転職したAさん。早速、新しい職場に慣れる心算でいらっしゃいましたが直属の上司と、なんとなくうまくゆかない感覚があり、電話セッションにかけていらっしゃいました。
Aさん「上司はこういう人なのかな、と思うところもありますが、自分に仕事上何を求めているのか、よくわからないです。直接かかわりがあるのがほぼ上司だけなので、このまま新しいところでやっていけるのか・・・」
Aさんの場合、前職が忙しいのが当たり前で、はたから拝見すると、仕事優先の中の生活というサイクルで年月を過ごされていました。ご自分の成長のために、新しく仕事を変えたのですが、前職のように仕事を介して自己成長ややりがいを求めていた部分と、期待がはずれたようです。
ただ、自己成長するには、仕事や上司など他者を介して・・・という時期を抜けて、別のところでAさんが成長するサイクルに入っているようです。旧い価値観ややり方を、転職とともに断捨離?(ピンと当てはまる言葉ではないが)したようです。
新しい職場の上司のことが、仕事を介して転機を越えた繊細なAさんの意識には、とても響くようです。相手の反応には気がついても「気にしない」「しばらく様子をみるような気持ちの切り替え」など、自分で気のエネルギーを着替えるところが必要になりそうです。
お仕事の休日に朝一でお電話くださったくらいですからプライベートの時間や空間にまで引き込んでしまったのでしょう。
「仕事について考える気持ちを切り替えて、午後から“気晴らし”を・・・」とお伝えしたとともに、何より、気(エネルギー・気力)の反発力、ジャンプをするような力強さが必要だと感じました。相手に対して反発するのではなく、相手の力を利用して、うまく軽やかに動く、飛ぶ、ようなイメージです。
さながら、昨今流行りのランニングシューズに置き換えると、反発力のある厚底シューズのようなイメージです。これはある程度、Aさんのように、エネルギーの力がある人が、エネルギーをうまく活用する方法と似ています。
外部の出来事に、どう反応するのか?です。
相手や状況と関わるときだけでなく、日頃の過ごし方、プライベートで気心をブラッシュアップすることなどが、小さく浄化や断捨離をするような習慣に通じます。
3つ紹介しましたが、ご参考にしつつ、毎度ケースバイケースです。
せっかく浄化や断捨離したのに・・・ということが起こったなら、自分の場合はどうなのか?浄化や断捨離でスッキリしたご自身に問うてみると、内なる気づきがあるかもしれません。
年末にかけて、おのずと浄化や断捨離をしたくなる方が増加しそうですから、どうぞ事後のケアにも気配りください。