「一生懸命」と「本気」な状態は、とてもよく似ています。
どちらもエネルギーを注いでいます。
「一生懸命」は真面目に取り組んでいますが、いつかその先に叶うところを目指しています。目標や到達点のようなところに向かっています。耐えてもいます。「奥歯を食いしばる」といった比喩のようにガッツリ力を入れているでしょう。
「本気」は真剣に向き合っていますが、目指す目標や到達点そのものより、それに向って取り組み関わっているところに一番やりがいや満足があります。我慢の耐えるではなく、鍛える鍛錬です。奥歯はきばらず、むしろ適度にリラックスし、力を入れるところに重心があります。むやみに力だけを注ぐ必要はなく、むしろバランスや軸を整える力が大事になります。
「一生懸命」さは、前向きに努力し取組んでいるとしても、義務的なものを背負っています。義務や責務というと「〜ねばならない」や「・・・したら〜なる」という考えが根本にあります。だから、頑張るし、一生懸命の先に結果を求めます。短期的なモチベーションにはなります。一生懸命にやって結果に到達できることは多々ありますが、ちゃんとそこでよく顧みないと、同じパターンが発生し、また一生懸命頑張らなければいけなくなります。
「本気」は、誰かや何かに対しての義務はまったくありません。表面的には何かの名目があったとしても、それに応えようと挑む心はまったく自由意志です。「自分がそうしたい」ときには「頼まれていないが自分がそうしたいんだ!」という、ある意味、自己中心の本気モードと言えそうです。だから、「〜ねばならない」と言葉づらは義務を背負っているようでも、それは自分のミッション(使命)になっています。
「一生懸命」は、もっともな理由や、頭で納得することであれば、がんばれます。
「本気」は、感情が動いたとき、感動したりエネルギーが高まるとき(気が高まる)発揮します。
あることに対して、あなたの本気のスイッチがはいると、そのことは、もう一生懸命のレベルには戻りません。本気の中で折り合いをつけるので、一生懸命さにブレるときがたまにあっても、そのことにすぐ気付かされます。
「一生懸命」は、本人が思うほどのリスクは殆どありません。ご本人が殆ど気付かないレベルでの言い訳がとても多いようです。
身近な周りの人たちには「言い訳だね」と気づかれしまう可能性はあります。でも、当の本人は、物事を理解し、成し遂げようとする意識はとても高いので、なぜ思う通りにいかなかったのかという理由はとても大事に思います。「言い訳だ」とむやみに指摘すると、機嫌をわるくされるかもしれません。
「本気」は、リスクはありますが、自分のミッション意識が強いとリスクはあまり障害に感じないかもしれません。リスクによってまともに危機的なことが起こっても、そのリスクは糧になるでしょう。
厳しい状況ほど本気に磨きをかけるもののようです。
どちらかといえば暮らしは裕福でお金に苦労をすることがなかったSさん。
お金は使いたいときは使えるゆとりのある生活でしたが、ひょんなことから収入に困るようになり、ローン返済やカード返済、固定費の支払に追われるようになり、そんな状態から朝起きることも不安になってきたそうです。
Sさん「今はちゃんと生活する家や子供もいるので恵まれているんだと考えるようにしています。でも、やはり月末の支払を考えると無理だろうし、どうしようと、不安でいっぱいです。仕事を入れる日数を増やしてやれることはやろう!今はがんばる時だと思っているんですが」
確かにご尤もな考え方でがんばっていらっしゃいますが、実際の返済にかかるものより、Sさんがしんどそうに感じられましたた。
Sさんのまわりは明るい黄色のエネルギー(いわゆるオーラ)が広がっているのですが、頭上には四角い石板のようなものが乗っています。これが、上からのエネルギーを遮っている象徴でした。
上からエネルギーとは、抽象的ないい方ですが「自分を閉ざしている」表れ。
この石板のようなものがなくなり、上からのエネルギーが注がれると、Sさんは本気のモードに入りそうです。
上を閉ざしているのは、「本当はわかっている自分」を発揮しないようなときに起こります。何か絶対的な基準はないものの、うまく立ち回ろうとしている基準があり、そのためにそのままの素の自分ではいられないモードにもなっています。
まさに「お金を返済しなければならない」ために仕事をたくさんいれて頑張ろうとする義務的な状態です。「ちゃんと支払っていこう!(支払いたい)」「(たとえば)この1年でお金の流れをよくしよう!」と本気になるときは、石板のような遮りはなくなるでしょう。
Nさん「1年くらいみっちり取り組んできたんですが、さすが体に疲れが溜まっているのがわかって、宇宙元旦の時期らしいですから、少しいろいろ休もうと思います」
人生のいろいろなパターンを切り替えるという宇宙元旦のコーチングで、Nさんのある取り組みを具体的にシフトすることになりました。
Nさんは確かに本気モードでやってきたようです。
Nさん「体がとても疲れている、特に背中、腰、お尻も・・・・凝って詰まっている感覚です。『休むこと、よく寝ること、体をもっと労って』と言われている感じがします。気力に体がついていけない。ネガティブな疲労ではないみたいです。でもだいぶ溜まってます」
本気、気力は、健全な肉体(身体)があってこそですね。
「一生懸命」と「本気」の違いなんて、日頃あまり気にしないかもしれません。でも、あなたががんばっているのに、一進一退なことがあれば、一生懸命と本気の加減をご自分で調べてみるとわかることがあるかもしれません。
事の大小は問いません。義務としてやらねばならない状況、仕事、作業なども、心の起点次第で本気に切り替えられるでしょう。
義務的に物事をこなすことが達成感や自信に通じるマインドの方は、それが自分の性分にあっている方法といえそうです。
もう少しだけ補足すると、
「一生懸命」は、マインド(心)の領域です。「本気」は、魂(気・エネルギー・自分の本質)の領域です。
だから、打算や駆け引きのない心のこもった「一生懸命」はよい働きをします。
魂が活発であれば「本気」です!みんなの魂に共鳴します。
そして、「一生懸命」×「本気」 であるなら・・・
です。