「◯◯◯で充実している」「充実感がある」
小学生でも?割と使える、よく知っている言葉です。
一般語のためか、逆にインパクトは薄めな言葉かもしれませんが、「充実モード」であることは、いつ飲んでも美味しい日本茶のように、満に要るような日常感覚です。
改めて、「充実」とは、
内容が満ち満ちていて豊かなこと。力が豊かにそなわってしっかりしていること。
という意味だそうです。[Oxford Languages]
充実はさまざまな状況によって感じ、味わい、評価されますが、やはり自分自身による実感や認識が計りになります。
身近な人たちや、普段関わりのない他人から「あなたは充実している」と評されるとしても、充実の本質は主観的です。
今回は「充実すること」「充実感」について、つらつら綴りつつ、「充実モード」に入る方法でまとめたいと思います。
日々の充実についてヒントになれば幸いです。
充実感とお金の心配・不安
充実している、あるいは充実する方法を知っているときは、お金や経済的な心配、お金にまつわる不安を抱くことが減るようです。
お金、経済的な不安や心配を口にしたり、人には言えなくても心・頭の中でお金のことばかりを考えなくなります。
これは、実際の資産や所持金、負債のあるなしとは、心理的に別のことです。
計算上は経済的に十分であっても、ご本人が充実感から疎いと、お金に関することからストレスを感じやすくなります。お金が社会通念のなかで、影響力がある計りだからでしょうか。
そこでお金や財力によって、なんとか充実感(それに匹敵する満足、安心、優位性、etc)を補填しようとします。
充実するための手段、BEST1に(まず、お金があれば)と持ち上げます。
お金が十分で不安や心配がなければ、充実できるのだ!という思いに囚われます。
そして、仮に、お金や経済的に潤沢な状態になったとしても、引き続き、本質的にはお金に匹敵するような他のモノゴトによって、新たな不安や心配を創り出す性質があります。
「お金の心配・不安」を思考の先頭に持ってくると、このスパイラルで物事を窮屈に考え続け、疲弊していく傾向にあります。
そもそも、お金に限らず、何かの心配・不安に囚われると、視野、心、思考、行動が狭く限定的になるのですが、特にお金に転嫁し重症化するほど物理的にも他を巻き込んでしまいます。
とある研究によると、お金に関する危惧を聞いたり考えた後は、判断力や思考力が8割も落ちるとか…(驚)
さて、このようなとき、どうやって脱却するか?
皮肉にも?そういうときほど、ご自身は、お金によっては(ほぼ絶対)満たされないような「充実」する何かを持っているはずです。しかも、失ったり、無くなってみて気づくような、コアを充実させているものごとです。
いわゆる「灯台下暗し」いや、「灯台」そのもののような、「充実」の源です。
この「充実」の源は、たとえば、自分の手に持っていながらソレを探し物しているときや、自分が眼鏡をかけているのに、「めがね、どこ、どこ?!」と慌てて探している様子によく似ています。
それをしっかり見つけ出し、認識し、忘れないことで、お金や経済について賢明なるアイディア、考え方、具体的な何かがわかったりします。
なお、お金に限らず、不安や心配に思ってしまうこと自体は、悪くありません。むしろ、真っ直ぐ「不安や心配だな」と受け止めることが、充実や満たすものを見つける最初の一歩です。
充実モードにあると、不安や心配を感じても、逆に、まぁ、あって由と、あしらいやすくなるようです。
自分の強み、らしさ、を発揮する充実モード
自分の強みや、自分らしさ(個性など)は大それたスケールでないかもしれません。
でも、唯一無二、その時々のご自身はかけがえない存在としては、大した価値です。
仕事、役割、立場の都合で対面があっても、それなりの強みや、らしさを表現できる機会があるでしょう。
些細なものでも、それが体現できると、そこから充実モードが起こります。
仕事や公の場で難しいなら、プライベートや些細な活動でも、小さな充実、満足、達成感、イイ感じに努められるかもしれませんね。
自己満足を含め、充実感は主観的で、自分次第でもあります。
充実感は、エネルギーの潤沢さですから、周りにもそのような波及効果があります。身近な周りの人たちも、その人なりの充実する何かを見つけ始めるでしょう。
充実感と将来
内的充実感が不足、枯渇してしまったとき、セラピーやカウンセリングにいらっしゃるクライアントさんは多いものです。
具体的な問題や悩みがあり、「充実どころか消耗している」と、お辛いときもありますが…
しばしば多くあるお声として、
「最近めっきり充実していない。このままで良いものか」
「今まで、それなりに充実してきたけれど、それが一区切りついてもう充実感には感じていない。感覚や価値観が変わり、何か新しい充実感になるものが必要かもしれない・・・」
「周りから見たら、かなり充実しているように思われるのですが。。。(ご自身では何か違うような感覚)」
などがあります。
この春の限定メニュー「リスタートセラピー」でも、しばしば伺う主訴です。
さて、「今」や「現状の場」が充実していると、不思議と将来や未来が気にならなくなります。
将来のこと、先行きを基準に「今のことをどう決めようか」、という考え方を優先しなくなります。
計画を立てることで充実し達成感を感じアイディアが増えるタイプの人は、今の地に足がついている(グラウンディング)ため、実は未来への不安が大きいわけではないことが多いです。
純粋な充実感は、「今」に近いほど強い感覚になります(エネルギーが強い)。その充実エネルギーが強ければ、後から余韻として味わえたりしますね。
充実モードに入る方法
デザインの流行の「モード」にせよ、機械や家電の「モード」スイッチにせよ、充実のモードに入る方法は、意識のトレーニング、気持ちの切り替えに慣れていく、というイメージになります。
充実感の本質には、大小はありません。
頭に認識するところの、事の大小が充実の度合いを決めているものと錯覚します。
日頃から、まず一日1回、簡単にできる「充実モード」を設けます。
充実感は主観ですので、充実する時間の長短は関係しません。時間の尺で言うと、長いと持続は難しくなります(個人差はあるにせよ)。
できれば、朝、一日の始まる早い方の習慣で、充実をリアルに感じることを「充実モード」に設定し、実際に味わいます。
程なく、日中のさまざまなところで、別のことにも、ソレなりの充実感、満足、喜び、など関連するエネルギー的なものに反応しやすくなります。
すると、そのように充実モードに感じやすい現象、人との交流なども共鳴します(いわゆる、引き寄せの・・・)。
冒頭の例えのように、風味や旨味に満たされるような一杯の日本茶(珈琲がお好きならコーヒーでも)のひと時なども、心身の充実モードに入れやすそうですね。
時々、アンチ充実なことが起こると、そこでガッカリ落ち込む、とおっしゃるクライアントさん方もおられます。
「せっかく充実モードで、良い感じだったのに・・・」と、水をさされたり、バケツの水をぶっかけられたような事態が起こったなら、穏やかではいられませんよね。
これには、いくつかの補足をつけておきましょう。
① アンチ充実に感じることで、あなたや、あなたと関わる物事とバランスを取っている。
充実モードだけでは、関わりがうまくゆかないことがあるため、適宜、異なることが起こっているのかもしれません。
② 一見するとガッカリなところだけが浮き彫りされたのでしょうが、もう少し深掘りするなら、何か納得するような気づきや、さらに充実のバリエーションになるようなものが潜んでいるのかもしれません。
③ 充実モードの発展系は、「これは充実OK」「これは充実しない」・・・という域を越えます。
そのトレーニングが少しずつ起こっているのかもしれません。
充実を獲得するには?
おまけですが、
日々の「充実モード」とは別に、大きな力をつけたような達成感を味わう充実感は、
多くの場合、リスクやチャレンジを伴う自己成長によって満たされます。