私たちは常に外的環境の影響を受けていますが、その具体的な程度はわかりにくいものです。
「ストレス」という便利な言葉は、さまざまな不調の原因として機能しています。
一般的にストレスは、仕事や対人関係、経済的な問題、責任や義務など、社会的な要因として捉えがちです。
しかし、生物としての人間は、環境や天候、大気といった自分が身体をもって存在する領域と大きく呼応しています。
たとえ快適な環境を整えていても、私たちはごまかせない感度を持ち備えているのかもしれません。
今年は昨年以上に猛暑のレベルが高く、夏バテが蓄積しているような状況です。
暑さに強いか弱いかといった体質的な耐性とは別に、暑さに強い人でも適応するための異変が起こります。それが望ましい変化である場合もあるでしょうが。
日本全国で記録的な気温上昇、ゲリラ雷雨の多発を経験した今年、残暑の時期になると、クライアントの皆さまのエネルギーに関連がありそうな現象が見られます。
暑さだけが原因とは言い切れませんが、無関係ではないようです。
特に人工的な生活が優位になるほど、自然界の影響に対して頭で対処しがちです。
その結果、身体に現れる反応を我慢しすぎたり、思考で処理できる情報で何とかしようとする傾向があります。
細かいナラティブ(語り)は人それぞれ異なりますが、共通する方向性が見られるため、その共通点を探ってみました。
まず、自分にとって「嫌なほうに解釈する」傾向が挙げられます。
これまでの経験から学びや気づきを得て、すでに快適な人生を歩んでいるはずなのに、昔の嫌な夢を見て寝覚めが悪い朝を迎えてしまうような状態です。
夢の中で再燃した思いを、今も起こっている、これからそうなってしまうのではないかと不安に感じてしまうのです。
現在は関係が良好な友人に対して、急に不信感が湧いてきたと仰るSさん。
「ずいぶん関係が良くなったと思うときもあります。でも、本心では昔のことを許し合えていない気持ちになって悲しいです」
「自分に楽しみを持ちながら過ごそうと思っているのですが、毎日いろんなことを見聞きする中で自分がブレて落ち込んでしまいます……なかなか自分の思うようにならず苦しく感じてしまいます」
と語るKさんは、他人からすれば漠然としたものに感じるでしょうが、いわゆる生きづらさを表現していらっしゃるようです。
病院に行っても不安を感じる症状が出てしまい心配だと、珍しくSOSを発したIさん。
「処方されたものを摂るのも心配で、確かにこのところ精神的にも忙しく、頑張りすぎていたとは思うのですが」
と、身体がナラティブな症状(症状を通して代弁している)を出したことで、不安になってしまわれたのでしょう。
病的な不調ではないけれど、なかなかやる気が出なくて、
「いつまでも変われない状態が続いていて、大丈夫でしょうか」と仰るTさん。
スピリチュアルな生き方に関する情報や動画が多い時代なので、外的なスピリチュアルに惹かれすぎると、変わろうとしなくてよい自分軸を感じにくくなるようです。
大切な人との関係に不信感が募り、望まない未来を想像しては不安が続き、心にも居心地の悪さを感じてしまう方もいらっしゃいます。
身体に熱中症のような異変が起こる人がいるように、自分のあり方がバテてしまい、捉えどころがない印象です。
ここで人為的なストレスや不快な状態と異なるのは、これが季節的な循環の一部であるということです。
季節とは春夏秋冬ですが、人生にも季節にたとえられる局面があります。
上記、特定されない範囲でご紹介した方々の場合、しばらくすれば自然に不安、不満、体調、関係性、自分軸は本来の快適な位置に戻ってくるでしょう。
むしろ、好調な季節の波に入る可能性が高いでしょう。
先に夢の話を事例にしましたが、悪夢や寝覚めの悪い夢は、調子が上がる前に見ることがあります。
もうしばらくすれば、猛暑のストレスは一時的に緩和するでしょう。
現状でスピリッツが上がってこないときは、次の3つの対策を挙げてみたいと思います。
① 外的環境をきれいにする。一部、一角でもOK。
自分ではどうにもならない、と思うことに辟易しストレスを感じることから解放する可能性がある。見通しもよくなる。
② 夜就寝時に、自分に向けて「今日もおつかれ様、ありがとう」と声をかける。特によく頑張った部分があれば、ポンポンとタップしながら心の中で声をかけ、労ってあげる。
③ 不安、心配、不満、不愉快……などの望まない感情を感じていることを、悪いことだと思わない。
特に、より良く生きることを実践するスピリチュアル系の方々は、その逆のことを否定しながらも意識しているメカニズムに気づくと、多くのことが取り越し苦労や考えすぎであると腑に落ちるかもしれません。
そのときには望まない状態、不自然な事態も、進化の一環として起こっていることのようです。