体や心に、無自覚に力みが入ったままのことがあります。「力み」です。
たとえば、「頑張ろう」「失敗しないように」などと気合を入れたまま、それを解除し忘れて日常を過ごしていると、それがデフォルトの感覚や習慣になり、身体や心に「力み」を形状記憶してしまうようです。
特に日中の「力み」は就寝中にも持ち越しがちです。
力の入りやすい方は、寝る前に「力み」を抜いてから寝る習慣があれば、睡眠中に「力み癖」予防の状態を養いやすいようです。
「力み」による身体や心の状態が当たり前になれば、それが生き方や人生観、信念や魂(本質、精神)にも影響するでしょう。
自分の意思や意図に限らず、緊張や不安な状態が続いたり、気を緩めることができないまま居続けることも、慢性的な「力み」を形成します。
「力み」は、最初の段階では、力が入っていることに気づき、「力を抜く」ことができるでしょう。
たとえば、スポーツなどで無駄な力が入っていたら「肩の力を抜いて」とか、エクササイズや試合等の後にストレッチやコンディショニングで、心身を整えられます。
一時的な緊張する場面や、厳しい状態に取り組んだ後、誰かがリラックスするように指摘してくれたなら救われます。
しかし、なかなか忘れられがちではないでしょうか。
「癖」と付くことには、案外本人は気がついていないか、癖であるままを放置しがちです。
「力み癖」のある方々は、この癖がマイナーで知られていないせいか、「常々、どこかに力が入っていること」「力を抜く感覚」「力の抜き方」をわからない、ご存知ないというケースが多いようです。
そもそも自力ですので、むしろ、身近な人や家族などは、本人以上に「力み」の入った状態を感じやすいものです。
その力みが、体の堅さや、言葉づかい、行動、態度として、現れやすいからです。緊張感や「力み」の空気を感じるのでしょう。
そして、家族や関係の良い友人は「頑張らなくていい」「力を抜いて、無理せずに」などと言ってくれているのかもしれません。
しかし、慢性的な「力み癖」にはいると、もはや言ってくれている言葉と、自分の力みがある状態を理解することに隔たりがあります。
「力み」は、力のなかでも、無駄に使われるほうの力ですね。過度に、あるいは、不適切な具合です。
無駄な力として力んでしまうとき、その「力み」を使っている状態は、とかく、
・果てない ・報われない ・虚しい ・儚い ・意味がない ・無くても全く変わらなかった
などの状態や、心理的、精神的なエネルギーを伴いがちです。
しばしば、
「(肩などの)力を抜いたほうが上手くできる」
「力が入っていて実力が出せなかった」
「ふだんは出来たのに、意識しすぎて余計な力が入った」
などと、なるようです。
この「力み癖」は、子どもたちも大人たちも、結構な割合で持っているようです。
ただ、大人になるほど、この癖が物理的にも型を成していきますので、「力み癖」に起因するような現象や感覚が発生しやすくなるでしょう。
今月のメニュー「メディカル・イントゥイティブ(直感医療)」では、まだ数ケースですが、なんらかの「痛み」と、ご自身の「力み」および「力み癖」が繋がっているクライアントさんがいらっしゃいました。
この「痛み」も実にバリエーションがあります。・・・みなさまもご経験を振り返ると、痛みの性質を列挙できるかと思います。
急性の痛み
中長期的に辛い痛み
違和感に近いような痛み
鈍痛
朝だけや夜だけなど一時的な痛み
痛みを感じないが周囲から「痛そう」と思われる痛み
攣れる痛み
患部ではなく別の部位が反応するような痛み
慣れてしまった痛み
諦めた痛み
痛いと思うと痛くなる痛み
まったく気づいていない痛み
etc
人それぞれのエピソードや体質がありますから、痛みの種類で決めつけるのは、痛みの本意から外れる可能性があります。
あなたと痛みの関係性を尊重し、ご自身が痛みから理解できるものであれば、回復や改善に繋がりやすいでしょう。
しかし、そもそもご自身でわからないゆえ、「痛み」という方法で何らかの異常を伝えようとしているのかもしれません。
原因のわからない「痛み」や体験しているご自身をバッシングしてしまうのは、プレッシャーや「力み」として、回復や改善の遠回りになりそうです。
ここで、メディカル・イントゥイティブでのポイントは・・・
ご自身で痛みの原因や治し方を、必ずしも知る必要はない、ということです。自然な気づきがあれば望ましいですが、必須とはかぎらないようです。
特に慢性痛や、痛みの性質によっては、原因や治療探しが、余計な「力み」のトッピングになってしまいます。
ときには、「痛み」を伴うことで、ほかの非可視化な無自覚な痛みに匹敵することを回避したり、逃避する働きをもっていることもあるでしょう。
『痛みに強い』とおっしゃる方のなかには、特有の苦手な痛みや不快な状態よりは、『その痛みには耐え得る』というタイプがいらっしゃいます。
これも一つの生き様かもしれませんね。ただ、人生観や身体において、何かの痛み的なものと闘っていたり、折り合いをつける観念になりがちです。
とても頑張り屋で、タフな印象で、ポジティブにも見えますが。
「力み癖」のあるクライアントさんの中には、ご自身の人生だけでなく、そもそも「人がこの世で生きるのは大変だ」という観念が強い場合があります。
Mさん「毎日、家のなかは戦いですよ!戦場みたいに散らかってます!片付けようと思っても、時間がないし、追われっぱななしです。で、この前、夫に続いて、私もギックリ腰をやりまして・・・」
と、明るいテンションながらも、腰の痛みについてお話しされます。
そこで、神聖幾何学のシンボル越しにMさんの状態を拝見すると、本来のMさんの健全であろう状態が歪んでいたり、力点がアンバランスなように感じられます。
光の柱でエネルギーの流れを観察すると、腰に限らず、体の関節や軸となる要所要所に、強い圧がかかり、意外にも、頭の中の思考や判断のエネルギーの流れもスムーズに運びにくい状態のようでした。
常々、優先順位をつけて、家事、仕事、お子さんのことなどをこなしている、慢性的な内側のプレッシャーの音が聴こえそうなほどでした。
また、「痛みは嫌だが、役にも立っている」という、少々シュールな意図も感じられました。
痛みがあることで、力を緩める働きにもなってきたのかもしれません。
Oさん「二の腕がいつも堅くなっています。よく手を使いますので。朝や夜中にときどき手が痺れるような、我慢できるけれど力を入れようとすると、最近は握力がとても弱くなっています。
一応、病院で診察してもらったら、年齢のことと、意外な症状名の可能性を言われて検査もしました。結果はその病気の可能性は今は低いけれど・・・と言われて、少し心配です。治療法がないような症状なので不安です」
二の腕、手に繋がっている、神経の配線構造をたどってみると、手先の問題ではなく、上腕、肩、肩甲骨、首、背中、姿勢全般・・・ほかの部位も無関係ではなさそうです。
ただ、原因や治療法というよりも、Oさんご自身によるアプローチが浮かんできます。
そこで、Oさんには片方の手で、反対の手を、とてもやさ〜しく包むように・・・ゆっく〜り撫でていただくことにしました。
最初は動きが早くなりがちでしたので、目を閉じていただき、片手で反対の手の感触や温度を感じるようにしながら、ふだん痛みや痺れを感じる部位をいたわっていくシンプルなものです。
しばらくすると、自然とOさんの呼吸がとても深くなっていき、自然に二の腕やひじを撫でたり、首をまわし、上半身も緩めるような動きになっていきます。
このとき、いくつか関係のありそうなアクティベーションを流すことで、Oさんのエネルギー(気流れ)が自然に導いてくれるようでした。
Oさん「とても気持ちがいいです。最初、手ではなくて、背中側の肩甲骨のほうがポカポカになってほぐれてきて・・・肩と首に感じていた堅さやハリ感がふわふわと緩んできています。
手の指は少し柔らかくなってきたかも・・・二の腕、腕の張りが強いです。あと、奥歯を噛み締める癖があって、口や頬にも力が入っていたのがわかります・・・」
まさにセルフのクオンタム*ヒーリングですね。*(量子エネルギー)
これは、しばらくおうちでも、寝る前などにやっていただくことで、Oさんの「力み癖」と痛み関連の感覚がクリアに向かっていきそうです。
部位によっては、神経系が痛むという症状では発症せず、炎症やほかの状態で体現することもあるでしょう。
「力み」というと、性格やメンタルの領域に感じます。
一方、体の構造が姿勢力みを作ってしまっていたり、精神的なプレッシャー、ストレス、次元を越えた過去世や、社会的・国家的な集合意識、信条などにつながる「力み」に伴う痛みや苦痛を味わうこともあるでしょう。
痛みは嫌なものだと思いますが、もしご自身に「痛み」との付き合いがあるとしたら、何らかの「力み癖」や、プレッシャーやストレスに働いているものがないか、探ってみると発見があるかもしれません。
痛みに限らず、症状に対して、ご自身で向き合っていくと、結果的にはサポートや改善に通じるような方法、医師や治療家、情報、生活改善、環境変化、気づきや回復を促すような態度等を誘発しやすいようです。
そのような意味でも、原因究明や治療に力みすぎず、流れに任せる緩みも功を奏するでしょう。
メディカル・イントゥイティブ(直感医療)は、直接対処的に治療するものというより、多岐にわたるホリスティック*なアプローチです。*(全体的、総体的)
時を経た症状がすぐ改善することもあれば、相応の時間やプロセスを要することもあります。後者の場合でも、唯一無二なご自身のこととして、幾ばくか愉しめるのも特徴と思われます。
何かしらご参考になれば幸いです・・・