対人関係や、ある物事について、相手や状況に困るとき。
かつては、その相手や状況をよく分析し本質を知ることで、こちらはどう対処するのか、という論理だった考え方が優位でした。
完全に相手や状況を知り得ないため、とくに人の心や物の理に関する知識や情報が求められました。
利害関係としてわりきるか、救済や悟りに向かう人もおられます。
知識や常識を駆使してもわからなくなると、多くの人は霊的・宇宙的な感覚に答えを求める傾向にあります。
近年は、
「相手や状況を変えようとしても無理ですよ」
「まずあなた(自分自身)を変えましょう」
というアプローチや自己啓発が広まりつつあります。
広く認識はされていないものの、この「自分次第」「自分中心」で本質をとらえる考え方を知り、実践もされているようです。
このとき、多くの真面目な方々は、
「それは、我がままではないか?」
「自己中で身勝手にならない?相手や周りはそんな自分をどう思うか心配だ」
「自分中心と、エゴ(自我)の振る舞いと、どう違うのだろう」
など、釈然としないかもしれません。
日本語の言葉の表現からすると、本質の違いがわかり難いですね。
いくつか例を交えて説明してみたいと思います。
が、けして頭で理解することと、本当に腑に落ちてわかることは同じではないので、ある種の知性を満たす参考になれば、という程度でお読みください。
お身内の縁談のことでご相談されたKさんご夫妻。
ご自身のお子さんの縁談ではなく、ご親戚の方に頼まれて、一緒に悩んでいる状況です。
そのことで、Kさんご夫妻の間でも、どこまで関わってよいのかの葛藤もあり、一方で頼まれてもいるし・・・と混線しています。
透視で拝見すると、Kさんご夫妻はネットの映画やドラマを見ながら、登場人物らについて考え、ご相談されている格好です。
一応、縁談の状況は拝見しつつ・・・
この展開の本質を拝見すべくKさん自身のリーディングさせていただくと、「あなた自身のことに集中しなさい」と出てきます。
かなり断定的です。周りに気を取られる必要はないことと、ご親戚の相談を否定することなく、自分自身に集中することで、関係者たちが自分の持ち場に戻る、という具合に解釈できます。
言葉だけで「あなた自身に集中」と言われたら、人のことに無関心なのか?と誤解されそうですが、まったくそうではありません。
自分自身の本意に集中すると、そのエネルギーは周りに伝播して、相手や周囲に気づきが起こります。
ときには、言葉で「こちらに構ってくれないなんて冷たい」などと苦情を言うかもしれませんが、それは、情や甘えからくるセリフです。
特に、親しい関係では、一般的にはキツイ態度を返してきても、それはハメを外したものですので、マに受けなければ、本当の関係は壊れません。
職場や家族関係の、一見良好な人間関係や、仕事そのものに対して悶々としておられるNさん。
イヤーリーディングのご相談の中心になりました。
ひとりでずっと内側で悩んでいると、その問題は、絶対的な問題(重大なこと!)という思い込みが根を広げてしまいます。
問題そのものより、この根っこのような頑張りのエネルギー状態がしんどいのですが、多くの場合は、問題によって苦しんでいると思い込みます。
そんなこんなで、状況はわかってきたご様子から
Nさん「結局(相手じゃなく)自分次第ですね」
と、身軽におっしゃいました。
まぁまぁ、そのとおりです。ここまでのことは、なんとなく世間でも知られています。
昔は「人のせいにしないで、自分がちゃんとしなさい」が主流の時代からです。
この「自分次第」や「自分が変われば、相手や状況も変わる」というとき、私たちは、まだ「相手」と「自分」は今までどおり別の存在であり、自分が変わることで、相手や状況がそれに呼応するか、魔法のようなことが起こるようだ、と思いがちです。
物理的に分断して考える習慣が身についているため仕方ありませんね。
「自分次第」「自分が変われば、相手や状況も変わる」の本質は、ワンネスです。
次元のグリッドが変わります。
同じ場所に存在している相手、状況の次元のグリッドが変わります。
自分も相手も状況も、それらを創りだしているすべてが「ひとつ」です。
「ひとつ」であることで、何事についても否定や肯定がありません。
ただ、ある、可能性として存在する、だけです。
「自分次第」の「次第」には、
「その事がなるがままにしておく」「言いなりなる」「その事によって決まる」という意味があります。 [Oxford Languagesの定義]
そのままにしておけば、次第に、なるようになる。自然なものになる、わけです。
すると、おそらく予測とはちょっと違うような展開や、ある着地点に向かうでしょう。
グリッドの話が出てきましたが、相手や状況に「自分次第」のグリッドでワンネスに交わるには、ひとつ重要で、奥が深いかもしれないことがあります。
それは、「自分を大切にする」です。自分の存在を尊重するというニュアンスです。
あくまで、周りを変えるための「自分次第」ではなく。「自分を大切にする」ことで次元のグリッドが変わります。
「大切にする」の中身や実態は、人それぞれ&さまざまになりそうですね。
ある視点からのご参考になれば幸いです。