March 2025
こんにちは。志麻の 今月のメッセージ です。
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※ [ 7:48 頃 ] 〈「あなたが誰であるべきか」を手放す〉誘導ワーク♪
「あなたは誰ですか?」と問われたとき、みなさまはどのように答え、どのような反応するでしょうか?
聞かれる相手や状況によって、答え方のバリエーションはあるかもしれません。
一般的には名前で答え、家族や組織に所属していれば、その役割や肩書きで表現することが多いでしょう。時には、それが個人の名前以上の意味があるかもしれません。
しかし、精神的・哲学的な文脈では、あなたが「誰であるのか」という認識や表現はさらに多様になります。
社会の中でアイデンティティを持つとしても、精神世界や思想上のあなたは、その存在ははっきりした実態がないと感じることもあるかもしれません。
そもそも「自分が誰であるか」という問いは、生きるうえで必ずしも個人的な問題とは限りません。
時代や宗教、社会構造や民族性などの考え方によって、「個人が誰であるか」を超越した価値が重視されることもあります。
また、生物としての私たちは、進化や生存の一部を担っており、死は次の命を紡ぐ一段階とも考えられます。
記憶の観点では、たとえば、カナダの科学哲学者のイアン・ハッキング*は、魂と記憶の奇妙なつながり指摘しています。
解離性人格障害などの精神疾患を例にとっても、自分が誰であるのかという感覚と記憶の有無は、人の精神面で大きな争点になります。
ちなみにヒプノセラピーやコーチングの手法でも、過去の記憶を扱うことは多くあります。
私たちが「自分はこういう人間だ」「あの人はこういう人だ」と強く認識しているのも、多くは記憶によって支えられています。
おそらく、何かに悩んだことがある方々は、記憶によって、自分や他者、出来事を強く結びつけておられると思います。
戸籍上のあなた、役割やアイデンティティ、今の環境や立場など「あなたは誰なのか」を示すものがある一方で、意識を変えてみると、それらはすべて流動的で、時代や場所、状況によって変化するものでもあります。
ここで改めて問いかけます。
あなたは「誰」でしょうか?
今回注目したいのは、「あなたは誰であるべきか」という意識です。
自分自身の誇りや社会的な役割として「こうあるべきだ」と思うこともあるでしょう。
また、他者から暗黙の期待を受けていたり、かつての慣習に縛られたまま「こうあるべき」と振る舞い続けている場合もあるかもしれません。
すでに時効が切れた、オールドファッションな「あるべき誰か」を振る舞っている人も少なくありません。
時代と価値観は廻りますが、最近は「誰であるべき」という強制から自由になる風潮が広がっているようにも見えます。
それでも、とくに周囲から押しつけられていないはずなのに、自分で勝手に「あるべき姿」を背負いこんでしまうことは少なくありません。
これは人間が社会と共生するうえで持つ、集合意識の影響のひとつとも言えます。
自分が「誰であるべきか」に強いこだわりを持っていると、同じように他者にも自分の期待どおりであることを求めがちです。
そして、そこに生まれる窮屈さは、いつの間にか幻想的なイメージとなり、実際の自分や他者の言動を狭く決めつけてしまうことへとつながります。
あるリーディングのセッションでの話です。
Mさんは、「ご自分に課している役割やラベルを持ちすぎている」いるという情報を受け取りました。そのためか、首から背中の上部にかけて、常に負担がかかっているような姿勢を作ってしまっているご様子でした。
これは、「家族や周囲に対して、自分はこういう役割を担うべきである」、という思いこみだけでなく、世の中のニュースや動向を見聞きするたびは、「自分にも責任が及ぶのではないか」「自分の行動や態度が周りに影響してしまうのでは」というふうに、必要以上に気を張ってしまうことからもきていました。
一見すると、かけ離れた因果関係に思えるでしょう。
本来なら自分とは直接関係のない責任や役割まで勝手に引き受けていたと考えられます。
このように、慢性的に首や背中に負担がかかるような状態は、メタファーとしても「いろいろな『あるべき』を背負いすぎている」ことを表していると言えるでしょう。
春めいてくると、部屋の片付けや整理整頓をしたくなる人が多いようです。
温かさや新生活への意識から、立場や環境が変わる人もいれば、特に変化はないけれど何かを整理したくなる人もいます。
その際、自分が「誰であるべきか」という信念や行動も、一度見直してみるのがおすすめです。
環境が変わるなら、古い「あるべき姿」をそのまま引き継いでしまうのはもったいないですし、変化がない場合でも、定期的に手放す思い込みがないか確認してみるといいでしょう。
ではここから、「あなたが誰であるべきか」という不要なこだわりを整理していきましょう。
部屋を少し暗くするなど、落ち着ける空間をつくり、リラックスできる姿勢を整えてみてください。
[ 7:48 頃 ] 〈「あなたが誰であるべきかを手放す」誘導ワーク〉
目を閉じて、ゆったりと呼吸を始めましょう。
呼吸を深めながら、普段かかわっているさまざまな役割やアイデンティティを、少しずつ緩めていきます。
もし、役割や立場から受けているストレスがあれば、一旦、解放されていきましょう。
次に、あなたが普段から「片付けたい」「なんとかしたい」と思っていながら、後回しにしてしまっていることをひとつ思い浮かべてください。
それは部屋の片づけかもしれませんし、仕事や家事、誰かとの約束、あるいは健康や生活に関することかもしれません。
周りから強要されているわけではなく、自分もやりたいと思っているのに、なかなか進まないでいるものです。
潜在意識が、そのような場面を思い出させるでしょう。
今、このことについて、あなたが責任や罪悪感をもつ必要はありません。
まるで他人事のように、ただ観察して、感じてみましょう。
それはいつ頃から片付いていませんでしたか?なぜ、気にかけながらも、進まなかったのでしょうか?
あなたが「片付けたい」と思う理由や、それによって得られるものは何でしょう。
反対に、片付かないことで、もしかしたら得をしている部分はありますか?
では、意識の中でそれを片付けたり、整えていきましょう。
意識の世界は自由です。どんな方法でも、時間や労力はかかりません。
自由にやってみてください。
望ましい状況になりましたか。片付いたイメージや感覚を感じてみましょう。
そのとき、あなたの「あるべき姿」に対する意識も同時にアップデートされたかもしれません。
あなたは、これまで「誰であるべきだ」と信じたり、思い込んでいたのでしょうか。
ふっと浮かんだイメージや感覚を、そのまま受け取ってください。
この気づきは、これからの日常やあなた自身の在り方に、好転的な作用をもたらしていきます。
では、ご自身のタイミングで、この体験から戻ってきてください。
いかがでしたか?
「誰であるべきか」という自分で居続けると、自分が誰であるのかを忘れてしまうかもしれません。
実際の片付けと同じように、長年の観念や「あるべき姿」を整理することで、判断力や行動力にメリハリが出るものです。
物質の領域と意識のつながりは、身近なところで関連があり、日々面白い展開をしているものです。
さて、今月も引き続き「クォンタムレベルの覚醒」の期間限定メニューを行なっています。
クォンタム=量子レベルと現実と思しき経験の結びつきを探求してみたい方、ご自身のエネルギー領域を覚醒していきたい方におすすめのセッションです。
ご興味のある方は、ぜひこの機会に体験してみてください。
参考文献:
Hacking, Ian. Multiple Personality and the Sciences of Memory. Princeton University Press,1995
『記憶を書きかえる-多重人格と心のメカニズム』北沢格 訳、早川書房、1998