3月6日、一般市民ランナーにとって3年ぶりの開催となった東京マラソン2021。
直前まで実施するの?というご時世のなか、感染予防対策や参加者全員のPCR検査クリアを条件に実現しました。
2021年というのは、本来は昨年開催予定だった会が延期になり、2022年は中止という設定です。
目下、大勢の人が集まる催しには賛否両論があり、一方ではどう現実性をもって動きだすのか見定めが難しいところを、結果的には英断をされたのかと思われます。
さて、2年越しの出走権をもっている者としては、常々一応は走れる体制であっても、「えっ?!やれるの?」状態でした(笑)
当日は絶好のお天気で、東京の街、大会全体が非常に映える1日でした。
ということで、久しぶりに大会レポをコラムにアップさせていただこうと思います。
走っているよ、という方、ちょっと興味がある方、ご笑覧ください!
東京マラソン大会EXPO
最近の小さめな規模の大会では、感染予防の観点から、ゼッケンや参加賞を事前送付する傾向があります。
しかし、東京マラソンのような都市型大会では、事前受付とスポンサーによるEXPO同時開催によって、大会全体が盛り上がり、経済効果も見込まれます。
今年のようなレアケースでは、事前に送付されたのはPCR検査キット。
EXPOの受付会場に行く当日(朝)に、自宅でPCR検査をし(唾液を収集)、2週間余りの健康記録をつけたアプリを持っていく必要があります。
受付・EXPO会場は、東京ビックサイトの南棟。
個人的には、会社の展示会やフェア開催の会場なので、非常に行き慣れたところです。
ビックサイト入り口からは、往来の人が被らないような動線で会場に誘導されました。
健康アプリで、本人の顔や健康状態が確認され、PCR検査キットの提出。
検査結果の通知は、当日の夜中から翌朝とのことで・・・万一、陽性なら・・・ここで大会参加はアウトですね。
ランナーのゼッケン、パンフレットなどを受け取り、EXPO会場へ。
例年なら多数の企業ブースでお祭り状態ですが、マラソンにコアなスポーツ系メーカー、大会関連のブースのみ出展ですね。
STARTSでは、マラソンコースを上映中。
オフィシャルスポンサーのアシックス。
無料でランニングフォームチェックや、新発売のシューズでお試しRUNもできる、贅沢なサービス。
偶然にも度々お世話になったasicsコーチからフォームチェックサービスを受けることができました。ふだん着のまま10分余りで体験撮影。
フォームのクセがわかります。可視化で、説得力がありますね。
EXPOは短時間で撤収しましたが、先のasicsで新しいシューズを見初めてしまい、小物や大会記念Tシャツやらと・・・経済効果に貢献しました(^^;
大会当日、会場へ
今回の開催では、〈ランナーの荷物預かりはありません〉という決まりがありました。
通常は、会場の仮設更衣スペースや屋外で着替え、着て来た服や所持品を大きなポリ袋に入れてゼッケン番号と同じシールを貼り、大会運営車が預かり、ゴールで受け渡しがあります。
東京マラソンはスタート(都庁前)とゴール(東京駅)が異なるため、荷物を自前で運ぶのか?、あるいは家族や仲間などに、ゴール付近で待ち伏せしてもらい・・・という段取りになります。
ただ、待ち合わせは基本NG、駅や付近の公共場での着替えはしないこと、というルールがあります。
しかも、コロナ禍の開催ですしね、違反はいけません〜
私は街ラン用のミニリュックを背負うことに。
背中と一体感があり、フルでも疲れず走れそうです。
他に、旅行会社の高級な荷物預かりサービスという選択もあるようでした。
都内近郊では、最小限の格好で会場へ向かう人が多かったです。私の移動は、都営マラソン大江戸線になりました。
ラン友さんの中には、都内のホテルを取り、会場へ向かったようです。
朝は6-7℃と、なかなか冷えます。日中は12℃くらいになる予報です。
再度当日の健康チェックと本人確認、からの荷物検査。エアポート並みです。
警備は厳重です。警察の方々が、大型タブレットのようなもので、終始、全体を撮影しておられました。テロ対策でしょうか。
トイレは十分にありますが、スタート付近設置のトイレはやや混雑。
スタートして1km後には、最初のトイレはあるようでした。
自分のブロックエリアに沿って、歩いて並んでいきますが、この人数だと遠いですね。
海外・国内の招待選手、一般市民ランナーで総勢20,000人以上です。
テレビ中継が先導している、キプチョゲ選手はじめ有名高速ランナーの方々のお姿は、はるか遠いスタート地点です。
ボランティアスタッフの方々、
救急スタッフの方々は、通常の「いってらっしゃーい!」とあげる声援の代わりに、笑顔と手を振って見送ってくださいました。
空気はひんやりですが、青空に都会のビルが映えて、だんだん気分があがってきました。
遠くで開会の挨拶など進行しているようですが、Eブロック(AからLまである)は大きなカヤの外ですね。
走りはじめるまで、全員マスク着用し、隣りの人と会話しないように、というルール。だから、大会の賑わいはあるものの静かです。装甲車や警察官の方々も整然とスタンバイしています。
と、先ほどから「マスクを外してくださーい」「みなさん、体にわるいですよ」と歯切れの良い声が拡声器越しに響いており、
・・・そのような、政党のデモ活動でした。私を含め、周りのランナーたちは一瞬、「あれ、今のって、大会運営のアナウンスかと思ったよ」と心の声がよぎっていました(苦笑)
誰かが「多様性ですから」とつぶやいて、スタート前の緊張をクスっとさせてくれました。
9:10分の号砲がなり、ハート型の紙吹雪が青空を舞い、高速ランナーがスタートした景色(後からニュースで見た)を想像しながら、ようやくスタートゲートが見えてきました。
メインのスタートから、およそ4-5分後に、スタートライン通過。
東京都知事も手を振っておられますね。(右下黄色いウィンドブレーカーの方)
スタート後は・・・
スタートして、10kmくらいは、ほぼ緩やかな下りが多く、よほど暴走して後半にダメージがこない限りは、とても楽に走れるルートです。
すぐに新宿のガード下(この呼び方に昭和を感じる)、歌舞伎町などの、普段は賑やかな繁華街を抜けていきます。
だんだん冷えていた体が温まってきました。
東京マラソンの新コースに変わってから、さらに今年は少し変更があり、秋葉原までコースが伸びました。
コースは、何度か折り返しがあり、その度に、先を走っているランナーとすれ違います。
運よければ、折り返し対面のタイミングで・・・と期待どおりに、茅場町の交差点では、今回優勝したキプチョゲ選手と彼と競っていた2、3人のランナーにすれ違いました。
テレビや動画などで観るよりも、静かにすっすっーーーーと走り去っていかれました!
スムーズで滑らかで、嫋やかな強さを醸し出し、もし仙人がランナーだったら・・・?という(勝手な)印象を拝受しました。(撮影する間もなく…笑)
2、3分後か、今度は蛎殻町あたりで、この時点で日本人トップの鈴木健吾選手が、前をしっかり見据えて走り去っていかれました。
その後、続々と、海外、国内のスピードランナー、女子選手が小さなグループで走ってくるたびに、別次元の大会を味わいました。
こちらは14-5km地点を走り、トップランナーの方々はすでに折り返しからの30km辺りですからね(笑)
生中継ならぬ、現地観戦をし、参加の大きな目的も果たせて、ここから、新生東京マラソンを楽しむモードになりました。
浅草雷門、スカイツリーは、タイムを狙っていないランナーは絶好の撮影スポットです。止まって撮る人が多く、撮影チャンスを逃しましたが・・・
そうそう、都内は中央分離帯や車道の中央に縁石があるので、コーンがあると助かります。うっかり転倒、ほかの大会ではありますね。
あんがいハーフ地点はすぐにやってきたように感じました。景色に変化が多いせいかもしれません。
あら、月島方面への交通表示。このまま家に帰ってしまおうか、という誘惑も(笑)
大会コース中盤以降の門前仲町、こちらは富岡八幡宮の鳥居。
庶民的な街中のせいか、沿道と近い感じですね。
ちなみに、駅伝、オリンピック屋外種目同様、「沿道での応援はご遠慮ください」ルールです。
かつては人垣ができ声援が飛んでいましたから、それに比べてかなり自粛ですね。これだけ人が動いていて(走っていて)、足音が聞こえるほどの静けさが、むしろ奇妙でした。
声援の代わりに、サインボード、文字やメッセージ、拍手や手を振っておられる方々はいらっしゃいました。キツイとき、言葉の応援から大きな元気をもらいます。走っているペースだと、文字は非常によく目に入り読めますね。
ときどき拍手や手拍子を聞いて、ピッチの落ちてきた脚がペースを取り戻し、助かりました。
給水のオペレーションは混雑回避をうまく果たしていました。
各のゼッケン番号の末尾ごとに、給水テーブルが決まっているので、人とぶつかったり混乱はありませんでした。他の大会でもぜひ採用検討していただきたい。
ただ、サブ3くらいの早いランナーさん方は、コース前半は、お互いに給水で避けてちょっとこわかった、という話でした。走力によって、体験は違うようです。
どの大会でも、給水・給食のボランティアさんは、「がんばってください」と声かけくださいます。が、今回は、手を振っての応援サインです。
このような制限のある中でのやりとりも、「ひとつになる日」を象徴していたように感じます。
前方に、ケアステーションがある模様!
大会協賛スポンサーの久光さん。コースから一瞬外れて、私もケアステーションに吸い込まれました。
ひとりずつ、ミニスプレーをいただき、脚に吹きかけ。
使い捨て。後半長旅のためにポーチに入れましたが。
日本橋から、銀座中央通りへ曲がります。
かなりランナーの間隔はバラけていますね。
日本橋の高島屋本店あたりです。青空と遠くの白い雲に向かいます。
日本橋から、1-2kmで、銀座中央通りに。
日曜の歩行者天国の車道を占有しており、申し訳ありません(^^;
大会中、6時間あまりの間、歩行者は横断禁止になってしまいます。
銀座アップルストアの前。ランナーは車道の片側のみを走行し、中央分離帯から片側は、お買物の方々で賑わっています。
銀座4丁目の交差点までくると、いっそう華やか。
おなじみ和光の時計と、お隣には木村屋の「あんぱん」の看板。この和光の1階のショーウィンドウが・・・
SEIKO時計です。観光ランナーは時計バックに記念撮影してますね。
今回は着替えや手荷物の課題があり、仮装している方は少ないのですが、シマウマさんとトラさんランナーと前後しました。ほかに全身チーターさんもおられましたが、大変スタイルの良い(もちろん走りも?)方でした。
いつも思うのですが、仮装ランナーさんは結構それなりに速く、かつ体力があり、さらに愛想もよく、別次元のランニングを楽しまれていますね。
ピッカピカのはとバスが待機。タイムの関門をクリアできないとき回収されます・・・
日比谷公園前の日比谷通り。ここを品川方面へ向かい、・・・戻ってくれば東京駅間近です。
ぼちぼちとウォーキング大会になりつつ、往路からゴールに向かうランナーは、最後の気合いで頑張っていますね。
日比谷通りには、東京タワー・・・
往路にはこの東京タワー下の公園が、日比谷公園に見えてしまうのですが(笑)
からの増上寺。
以前は品川駅のほうまで続き遠く感じましてたが、今年は田町駅近くで折り返せたので、気持ち、救われました。
日比谷通りを折り返し、皇居を目視したら、すぐに東京駅に向かう丸の内通り。
もうあと1kmと思うと、気持ちだけは名残惜しくなりますね。ちなみに、黄色いTシャツの方は、私と同じミニザックを背負っていらっしゃいました(笑)
行幸通りから、すぐにフィニッシュラインへ。
テレビニュースなどで、トップ選手が手をあげて走ってくる、ところ、です。現地は意外にコンパクト。
ゴール後は
スタッフさんが「みなさん、写真を撮りたい気持ちはわかりますが、前にどんどん進んでくださーい」と。
でも、みなさん自撮りで1枚。
ゴールをしたら、すぐマスク、手洗い消毒と忙しい!
撮影忘れましたが、花王さんの手洗い専用マシンが複数台あり、手を洗うだけでサッパリ楽になりました。
晴れて、後半やや強風、湿度は23%と、じゃっかんの鯨状態でした(全身から汗の塩が出ていました)から。
通常は完走メダルや完走賞、ドリンクなどを数々手渡しされるのですが、ここでもオペレーションの工夫がされていました。
ゼッケンの色ごとに、進路が分かれており、
おぁ、ランチパックが積まれている。
手渡しではなく、自分で袋をピックアップしてください!
さらにランナーサービスとは?
待ち受けるポンチョ。着替えられない方のために、
カラフルポンチョで、足を引きずっている?謎の集団。
素材がネルで、軽量、保温性があり、なかなか気が利いたサービスですね!(2019年大会は、壮絶に寒かったですから)
「そのままじゃ帰れん」と、縁石に座りこむパターンも多い。私は座ったら立てなくなりそうで(汗)
皇居外苑あたりは、よくふだんから走ったり歩いているところです。ふつうにゴールした以上に、帰ってきた感がしました。
間際まで、開催するの?中止なの?のなかで、定番の参加賞をご準備された模様。
みかんは、築地果物市場の差し入れだったようで?走った後は無性にオレンジ食べたくなり、ありがたい!
メダルの表・裏 とてもきれいな彫りです!
肝心のランニングは、去年年末のビヨンドマラソンでPBを出せて、この勢いでがんばろう!と思いながらスタートしたものの、今年に入って、気持ちも身体も忙しかった!という言い訳のもと、東京コースを満喫する観光ラン♪RUN♪大会になりました。
かえすがえす、特殊な状況下で無事に走れたことや、久しぶりに、ふだん細切れて往来している都内の街中を自分の足で味わえたことには、感慨深いものがあります。
大会前、しばしば駅などで見かけていた「もう一度、東京がひとつになる日」のキャッチコピーを、完走後は自分なりに感じられます。
ひと昔前に比べて「ひとつ」に和をつくる意味が変わったのではないでしょうか。かつては個々に対する尊重が希薄な印象でした。
しかし、ここ最近、ひとり・ひとりの存在力や価値が重んじられることで「ひとつ」を共創する意識にシフトしていると、見受けます。
というわけで・・・ありがとう東京マラソン2021!!