ふだんお使いのスマートフォンやパソコンは、仕様やサービスによっては、ソフトウェアのアップデート通知が届きます。
私はかれこれ17、18年のアップル信者ですが(笑)iPhoneやMacのOSアップデート通知が届く頻度が、近年はだいぶ増えているように感じています。
バグの修正、セキュリティ機能の改善などから、明らかにスペックが上がり全体の使い勝手がよくなるアップデートまでと、様々です。
アプリや、サービス形態などにもアップデートがあります。日本語では、アップデータは「更新」です。
近年は、何かしらのサービスや技術的なものに於いて、みなさまなりにアップデート作業をされていらっしゃるでしょう。
アップデートのほかに、新製品に買い替える、習慣ややり方を改善する、体制を変える、興味のあるものについてリテラシーを高める・・・なども、アップデートです。
アップグレードは、すでにあるグレードシステムのなかで上位のものに切り替え、アップデートを選択するイメージです。
アップデート/アップグレードは、物だけでなく、意識の持ちよう、価値観、暮らしぶり、関係性、人生観などにも、当てはまるでしょう。
最近は、問題や悩みがあるからカウンセリングやセラピーを受けるというケースはかなり少なくなりました。
むしろ問題や悩みがあるときは、
「悩みが問題が何を示唆しているのか?」
「どんな意義があるのか?」
「自分に気づかせようとしていることがあるのか?」
などと、前向きにとらえるクライアントさんが増えています。
恒例の年末年始のイヤーリーディングなどは、年々ご自身のあり方や人生をアップデートしていきたい、という目的を持っていらっしゃる方が顕著です。
そして、実際にはご自身がそれなりに何かをされているわけですが、翌年や、数年後の機会にお会いすると、アップデートの様子がよくわかります。
昨年、今年は、新しいメソッドをセッションに投入し、世の中全体のアップデートと連動する1年を送られているケースも少なくありませんでした。
ミドルエイジ世代のなかには、長年の体調不良や症状を調整する時期にはまる方も目立ちます。結局は、これらもアップデートの一環です。
ちなみに、地球上では、人間が認識する「良い状態」「上がり続ける」ことが永続するというのは不自然なため、周期的、あるいはランダムに、上がり下がりの変動があります。上がり下がりの幅や、領域もさまざまです。
ぐんぐんと人生をアップデートし昇り調子のクライアントさんであっても、急に逆戻りしたような(ご本人はそう感じている)現象ばかりに遭遇したり、人生で初めてのような乱気流に巻き込まれる、等のフェーズに入ることがあります。
また、ご自身は順調なアップデートの波に乗っているのに、身近に関わる人たちや、仕事体制、日々目にするものがガラパゴス化しており、共に暮らし、仕事をするのが苦しい、という状況に面することがあります。
遅れをとり追いかける立場も大変ですが、逆に先に行きすぎて周りと価値観が合わない、やり方が違うという状況も辛いようです。
先に進みすぎて理解されず、奇抜だと否定されたり、孤独に感じる、などです。
たとえるなら、アップデートしたファイルを使おうとしても、周りは旧いバージョンのファイルを使っていたら、互換性がとりにくいでしょう。(最近はだいぶ汎高くなりましたが)
これのリアルライフ版です。
特に人間関係や仕事、価値観、文化等において、バージョンの違和感があると、「やりにくさ」が目立ち、生き難いものです。
昨年から、職場の体制や価値観が合わないために、上司や部下たちとのコミュニケーションや意見に隔たりを強く感じている、とおっしゃるSさん。
Sさん「言ってしまえば、昭和時代の考え方が強い職場です。上司の発言も『これ外でいったらアウトでしょう!』といった偏見をもっていたり。仕事自体、ストレスと時間のかかるやり方なんです」
近年、組織における人事、業務体制はアップデートをしないと回っていかないところが増えていますが、まだこれから着手するところもあります。
人の意識、考え方、行動習慣、認識等も、旧いバージョンの側からは、「自分たちが旧い」ということにほとんど気づいていないものです。
ハッキリと指摘されても、わかるような・・・わからんような・・・という反応が殆どです。それらによって人生の多くを作ってきたからでしょう。
「そうだ!新しいやり方に変えていきましょう!」と決定したとしても、実際に行動に起こさなかったり、チャレンジしてもうまくいかない段階は、まだアップデートした気分だけの時期です。
個人であれ、長年のシステムや組織であれ、わりと簡単にアップデート可能な場合と、一旦旧いバージョンを削除(アンインストールのイメージですね)しないと、アップデートが機能せず、むしろ干渉しトラブルになることもあるでしょう。
志麻ヒプノでは、会社や自営でお仕事に従事しているクライアントさんが多いため、職場や社風の進退についてもしばしばご相談をお聞きします。
先のSさんの場合、
「ここ2、3ヶ月は、職場の人たちや体制から突発的に不愉快に感じることがありそうで、それは季節が変わる段階的プロセスのようだ」という状況が視えてきました。
可能性としての情報ですが、特に職場という箱はエネルギーがカタチとして形成されているので、顕著な情報に感じました。
Sさん「私はしばらく我慢して、やり過ごすしかないのか、旧い人たちはもう無視して、好きなようにしていればいいのか、、、」
と日々のストレスを想像して、しんどそうな印象です。
Sさんはお仕事を通してご自身の本質を投影し、世界を体験するタイプのようです。とすれば、Sさんの何かがこのネガティブに感じる体験や体感を起こしているのかもしれません。
さらに、体験の本質に入りんで拝見すると、
「Sさん自身に、仕事以外のプライベートや人生のなかに、ご自分がまったく気がついていらっしゃらないような、旧いバージョン設定のものが動いている」
ようでした。
何が旧いままなのか?要アップデータなのか?はわかりません。
むしろ、それはSさん自身で自由に見つける愉しさがあるのでしょう。
Sさんが、仕事関係に感じていらした諸々の感情や違和感、不快感などは、ご自身自身のなかに同じ性質や状態のものがあることを示唆しているようでした。
客観的にエネルギーを拝見して、Sさん自身は職場のまわりの方から否定されておらず、むしろ卒なく立ち振る舞っていらっしゃいます。
内面で感じていたことは、抑えてこられたでしょうし、ハッキリ意見をしたとしても、旧い体制と感じている職場や上司には、意図は通じていなさそうです。
このあたりのエネルギー的な感度と作用は、Sさんが自身がアップデートするにつれ、スムーズに意思疎通が通うものです。
エネルギー波動の及ぼす作用や、出来事がみせる本質の原理などは、Sさんもこれまで学ばれているため、
Sさん「会社のほうはさておき、自分のアップデートに気をつけてみます」
と、周りに分散していたエネルギーをご自身に集中し始めた様子でした。
いわゆる「観えている世界は自分が創り出している」の、アップデート版のようです。
さらに、
Sさん「私がアップデートしたら、2、3ヶ月かかる予定の状況も変わっていきますよね?」
とご質問をされました。まさに、そのとおりです!!
Sさんのアップデートのなかに、時間や状況に関する既成概念も含まれているでしょうから。
旧いも新しいも、性質や特徴は異なりますが、優劣があるわけでもないのです。旧いバージョンもかつては最新モデルだったことでしょう。
ここ最近は、自己と他者の投影現象は、比較的わかりやすく発生し、こちら側のスタンスを変えたり、方法はわからずとも新たな気づきがあることで、様相や結果をがらりと変えやすくなっていると感じます。
誰かや何かに旧さや使いにくさを感じたら、ご自身が要アップデートである可能性があります。
たとえば、昔のやり方をやってみて「若いときは出来たのに」などと感じたら、あんがい、その昔のやり方に苦戦するうちに、あなたの何かのスキルが上達しているかもしれません。あるいは、新しいやり方を発見するきっかけになるのかもしれません。
ところで、先のSさんのように周りと差異があっても、ご自身が、ご自身側のアップデートをすると、しばらくしたら周りの状況も更新されていくことがよくあります。
あるいは、かつてギャップのあるものとの関わりが変わるものです。
ジャッジするマインドは、「風の時代」より以前の風潮です。
今年令和6年は、昭和99年ですが、半世紀前には、日本や先進諸国の国々でも、一般人が個人のスタンスを変えること、気づきを得ることは非常に難しかったでしょう。
トリッキーな部分は、現在も旧いバージョンでないとまだ使えない、機能しない状況も多々あります。
それも何がしかと関連のある進化のプロセスとして愉しんでよいのかな、と思われます。