タスク(task)とは、自分がやるべき作業、課題、仕事のことです。やらされるものというよりも、自分に課せられた“シゴト”として、自主的にコミットできるもの。
仕事や作業に限らず、日々の暮らしや人生そのものにも、”タスク”と呼べるものがあります。
誰かからの評価はあとからついてくるもので、タスクに取り組むことで、充実感や実力のようなものが得られるでしょう。
また、自発的なプランや自己裁量で進められるのも特徴ですし、自分のタスクは、他者のタスクと繋がっており、その達成感や満足感は、チームや周囲にも波及していきます。
さて、日常の仕事や学習、家事のほかに、「自分がやると決めているタスク」や、「自分にしかできないタスク」があります。
とくに後者は、才能や経験に関係なく、そもそも自分だけが担える種類のタスクです。
無意識に他人の問題や感情に巻き込まれやすい方は、自分のタスクを後回しにしがちです。
周囲の人のタスクに過剰に反応したり、眺めたり、手を出したくなるかもしれません。
気づけば、自分にとって本当に大切なタスク、自分にしかできないタスクが、先延ばしになり、次第に億劫にすら感じるようになることもあります。
中には、「他人や環境の影響で、自分のタスクに支障が出た」と思う方もいるでしょう。
現代社会では、他人のタスクのほうが優先される傾向が強く、また、「家族や身近な人たちのタスクを優先すべきだ」という価値観や習慣に縛られている場合もあります。
「大切な人たちや仲間のタスクが終わってから、自分のタスクに取りかかればいい」と考える方もいるでしょう。
おもしろいことに、とくに「自分にしかできないタスク」を優先して取り組むと、
周囲の人たちも、それぞれのタスクに集中し始めるように見えてきます。
そして、お互いにタスクを助け合う場面では、自然と協力的・協調的な関係が生まれます。
逆に、自分の大切なタスクを後回しにしていると、
なんだか周囲の出来事すべてに「邪魔されている」ような感覚に陥るかもしれません。
これは、職場での仕事、家庭での家事、チームでの役割分担など、身近な場面でも当てはまることです。
また、ヒーリングやセラピーなど、スピリチュアルなつながりを持つ他者との関係にも言えます。
セラピスト側のタスクにも、バランスがあります。
先日、セイクリッドアクティベーションのレベル1講座を和やかに開催いたしました。
すぐにアクティベーションに慣れてきた受講生の方々は、当初の目的どおり、
「すぐに周りの人たちにエネルギーを送っていきたい!」と前向きでした。
「周囲の人にハッピーになってもらいたい」
「エネルギーの変容を楽しんでもらいたい」
といった気持ちから、実際に送ろうとされているようでした。
ところで、一見シンプルに見えるモダリティ(手法)ほど、実は想像以上のエネルギーが流れています。
そのぶん、自身が満たされる部分もありますが、充電や休息が必要な側面もあります。
アートやパフォーマンスもそうですが、エネルギーを誰かに流す、届けるという活動を持続可能にするには、
まず自分自身の状態を整えることがなにより重要です。
バランスが取れていれば自然と休息や充電を欲するようになりますが、なかなかそうはいかないのが、現代という時代です。
気づかぬうちに、他人や周囲のことで頭がいっぱいになり、「自分にしかできないタスク」を見失いがちになるのです。
休養や転機が、タスクへの回帰を促すことも:
まとまった休養を取ることになったり、急に生活の事情が変わったりして、自分のタスクへ立ち返らされるような出来事が起こることもあります。
そうした出来事は、けっして偶然ではなく、魂レベルでの“修正”のようなものかもしれません。
たとえば、なぜか最近「人のことばかりが気になる」というとき。
それが、身近な人でも、SNSのような漠然とした他者の集合でも、そんなときこそ、自分だけのタスクに取り組むと、心が落ち着いてくるはずです。
ちなみに、このタスクとは、気分転換や趣味、自然の中に出かけること、久しぶりにやりたいと思っていたこと、しっかり栄養を摂ること、など簡単にできるのに後回しにしがちなことも含まれます。
必要なのは、大それた達成ではなく、「自分がやるべきことを、自分のタイミングで丁寧にやる」という静かな集中といえるでしょう。
自分のタスクに集中することで、自然と他人にも優しくなれ、全体の流れも調和していくように感じられるかもしれません。